異邦の香り――ネルヴァル『東方紀行』論 の感想
参照データ
タイトル | 異邦の香り――ネルヴァル『東方紀行』論 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 野崎 歓 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062161763 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 日記・書簡 » フランス文学 |
購入者の感想
ネルヴァルの『東方紀行』は読んだことがないけれど、この『東方紀行』論は読んでみた。ネルヴァルのオリエント旅行の道行きを、『東方紀行』の文章(これは事実のみを書き連ねた紀行文ではなく、ネルヴァル自身が少なからず脚色している旅日記のようだけれど……)に密着しながら丹念にたどってゆくので、本書を読みながら、ネルヴァルと一緒に旅をしているような気分になれる。とても柔らかな文章で書かれていて、しかもネルヴァルのゆるやかな旅をゆるやかに追ってゆくわけなので、実をいうと、読み終えてしまったいま、あんまり内容そのものは覚えていない。けれど、なんだか心地よい読書だったという感触は頭の中に残っている。