知の最先端 (PHP新書) の感想

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参照データ

タイトル知の最先端 (PHP新書)
発売日販売日未定
製作者カズオ・イシグロ
販売元PHP研究所
JANコード9784569815206
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般

購入者の感想

本書は2011年11月第一版ですが、カズオ・イシグロ氏のノーベル文学賞受賞を機に書店に平積みされました。 一言でいうなら、世界の「知」のインタビュー・アソーテッドですが、どうしてもカズオ・イシグロ氏へのインタビューが気になります。

「知」の7人を登壇順に列挙すると、シーナ・アイエンガー、フランシス・フクヤマ、ダロン・アセモグル、クリス・アンダーソン、リチャード・フロリダ、クレイトン・クリステンセン、そしてカズオ・イシグロ (敬称略)、となります。

ツカミのシーナ・アイエンガー氏、「選択の科学」に関するお話しはおもしろかった。 ベストセラーとなった翻訳版を知りませんので、さっそく購入したくなりました。 フランシス・フクヤマ氏のお話しは、可もなく不可もなくという感じで、ちょいと流し読み気味、、、インタビューから書き起こす限界もありそうですね。 そのほかの「知」もいいのですが、”イノベーション”関連が多く、イノベーションというコトバがそもそも腑に落ちない小生としては、やや退屈だったかな。 好みの問題です。 ”イノベーション”を英語の世界で語るなら馴染めるのでしょうけれども、そのままカタカナ言葉で使われる日本語では、イメージばかり先行して「だから何?ようわからん」と、ついプチ・ヘイトしてしまいます。

ハナシが逸れました。 最後のカズオ・イシグロのお話しは他の6人とは異なり(6人はいわば広義にいうなら科学者ですので)なるほど感が大きかった。 たとえば、「小説という手段の表面下にあるメタファーや神話で隠れている普遍的なストーリーを言いたい」、「英語があまりに」支配的な言語になり、その覇権が世界の文化的な均一化を促し多様性を見逃すことに当惑する」、「両親が自分に日本語を強要せず、セミリンガルにならなかったことに感謝している」、など。 素直に腑に落ちるお話しでした。

著者(インタビュアー)大野和基氏の教養あるインタビューで7人の「知」からオイシイ話を十分に引き出しており、総合的な「知」の枠組みを自身のなかに構築、促進するための一助に、というの著者の目的は達せられていると言えましょう。 ★5つ献上です。

知の逆転 (NHK出版新書 395)はかなり好評なようで、発売から1年近く経ているが現在の書店でも平積みが続いている。
本書の新書かつ著名な知の発信者たちへのインタビューといったところから、
知の逆転にあやかったパクリ本かなと一瞬の心配に陥る。

しかし、そんなものは一瞬の錯誤である。
表紙を見ればわかる通り、本書は知の逆転に負けず劣らずのものであることがわかる。
対比的表現をするに、知の逆転のインタビュー対象は長老的知識人が多かったところ、
本書はまだまだ第一線で活躍する方々が対象といえよう。
(クレイトン・クリステンセン教授は、最近退官なされましたが。そしてその時の本。
イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ。)

さて、本文に移ります。
本質部分を明快な表現でまとめて読者に骨子を提示する、大野氏のインタビュー手腕がいかんなく発揮されている。
(私の知る大野氏は、English Journalで聞くことのできる、ダンディな声のインタビュアーとしてである。
 ぜひとも本書のインタビューも一級の英語学習素材として公開いただきたいものである。)
後半は、大野氏の質問が「それではあなたの論を日本に応用するとどうなのですか?」とつながる。
そして、現代日本社会への処方箋が提示されるのである。

現代の各分野の第一線で活躍する知性7人へのインタビュー集。
2012年12月に発刊され、ベストセラーとなった『知の逆転』を意識して刊行されたものであることは間違いない。
取り上げられているインタビュイーは、『歴史の終わり』のフランシス・フクヤマ、『国家はなぜ衰退するのか』のダロン・アセモグル、NHK教育テレビ『コロンビア白熱教室』のシーナ・アイエンガーなどであるが、『知の逆転』に比して全体にビジネスに絡んだ内容が多い。
その中で、英国ブッカー賞作家のカズオ・イシグロが、ベストセラー『わたしを離さないで』で描きたかったテーマやそのために取った手法、「リアリズムの外側で書くことができる稀有な作家」という村上春樹に対する評価、5歳のときに離れた日本への思いなどを語っており、本書を類書から差別化している。
(2013年12月了)

7名の著名人へのインタビューが掲載、本の構成としては『知の逆転』に非常に近い。

クレイトン・クリステンセン氏の、イノベーションには3つのパターンがあるという話が非常に興味をひかれた。3つの中でも、画期的な新商品により雇用を創出する“エンパワリング・イノベーション”について、クリステンセン氏に言わせると90年代以降に日本で起きたこのタイプのイノベーションは“任天堂Wii”だけらしい。

カズオ・イシグロ氏が、『わたしを離さないで』の執筆を過去2回断念していたという話も興味深かった、最初はクローンではなく核兵器がテーマだったそうだ。
また多くの書評家があの作品のネタバレについて気を使っているが、イシグロ氏本人はあまり気にしていないらしい。子供時代のメタファーを表現するために、あのような特殊な設定になってしまったようだが、設定よりももっと深い所にあるテーマを楽しんでほしいとの事だった。

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