折口信夫 の感想

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参照データ

タイトル折口信夫
発売日販売日未定
製作者安藤 礼二
販売元講談社
JANコード9784062192040
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

この本は、作家折口信夫の評伝である。構成は十章からなり、第一章から四章「起源」「言語」「古代」「祝祭」までを折口信夫の生涯、第五章から八章「乞食」「天皇」「神」「宇宙」までを折口信夫の思想について、ほかに「列島論」と「詩語論」からなる。折口信夫で有名な小説が「死者の書」であるが、本書はよくまとめられた力作であると思うが、本書を理解するには少なくとも「死者の書」と「古事記」「日本書紀」を読んでいたほうがいいと思う。また神道の思想も必要であろう。生涯については折口自身があまり語っていないため内容が乏しいように思えた。思想では、柳田國男との交流、大本教の出口王仁三郎と南方熊楠らとの共通点と接点について書かれている。大本教は不敬罪として政府から二度の宗教弾圧を受けたのだが、折口は不敬罪で処罰されていないという。学者で危険性が無いと判断されたからなのか。著者は「天皇霊」が「日本書紀」にあるからというのだが……、
第六章「天皇」には、折口の天皇論が書かれている。それによると「天皇霊」の概念において<血と肉>による万世一系の王位継承を否定し、王位継承とは神聖な霊(天皇霊)によるもので、王の身体とは「魂の容れ物」に過ぎない、という。わかりやすくいうと「天皇」とは世襲ではなく王の身体に神聖な霊(天皇霊)が憑依した者が天皇であるというのだ。そして天皇霊が憑依する秘儀こそ「鎮魂」にほかならない。
折口の論理だと老若男女を問わず、私でも秘儀「鎮魂」を習得し天皇霊が憑依すれば天皇になれるということになります。(笑)
不満として情報量が多いので索引があればよかったと思うのだが。各章は本文と注解で約50ページあり、533ページと分厚い本ですが興味のある方はどうぞ。

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