未来に先回りする思考法 の感想

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参照データ

タイトル未来に先回りする思考法
発売日2015-08-27
製作者佐藤 航陽
販売元ディスカヴァー・トゥエンティワン
JANコード9784799317549
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

結論から言うと、大いに同意します。
自分は産業機器の業界でいまのスマホみたいな静電容量式パネルをふくめたテクノロジーを見ていたので、スマートフォンの萌芽はiPhone/Androidの前から芽生えており、今の進化や普及は必然だったと思います。自分はiPhone以前のスマホさえ使っていたので。
そしてきっと、私の馴染みのない別の産業にも同じことが言えるのだろうと思います(その業界にいる、一部の人だけに見えている未来が。)

ただし、著者に申し訳ないなと思いながらあえて★ひとつにしたのは、レビューに散見される、これを読んですべてその通りだと流されている人に警告したい部分もあるからです。

たとえばアップルをたたえている部分がありますが、そんな彼らでさえ当初、「アプリはすべて我々だけで作ったほうが良いのだ」あるいは、「3.5インチが完璧かつ最適」で、他社はアホだ、と言わんばかりの姿勢でした。(反面 2005年から開発されていたAndroidは自由にアプリを開発できる世界を目指しています)
2016年現在の視点でいえば、主観を混じえると、5年後10年後に起こるブレイクスルーは、Microsoftのサティヤ・ナデラが推すComtinuumやGoogleのアンドロメダOS(仮称)が目指す世界、つまりフル機能のパソコンがスマホサイズになり、スマホとして持ち歩けるだけでなく、「大画面とキーボードがワンタップで無線接続されて完璧なデスクトップPCにもなる」、という未来でしょうか。 しかし現在こうした未来を、アップルはトップ自ら全否定しています(別々のデバイスを買って使えばいいのだ、と)。

もっと言えば、スマホのトレンドを見誤って没落したノキアはビジネススクールでは「失敗事例」の典型でしょうが、時代をさかのぼればゴムや紙を作る会社だったにもかかわらず携帯電話に目を付けたイノベーターでした。

変化の激しい現代で、その対処法を分かりやすく解説しています。どなたでも一読の価値ありです。

同じ著者の「お金2.0」がよかったので 読んでみた。
1.IOTにみられるようにすべてのものに知性が宿るようになる。
 あらうゆる物体にインターネットが浸透する。現在はその途上。
 この動きは止まらない。
2.インターネットのインフラが遅れているアフリカなどでのネット普及のためには
 宇宙からサービスを提供すればよい。宇宙産業へのIt企業の進出が進んでいる。
 宇宙への進出は不可避の大きな流れ。
3.技術の進歩が急速であり、かつ社会の構造を変えてしまうような深い変革が進行している。
 急速であり、かつ根源的な動きがいままでの常識を変えるようなインパクトをもつようになる。
4.そのような大きな流れの中にある「現在」における行動のありかた、意思決定、思考法を説く。
 著者の経験を踏まえた説得的な言説が続く。内容は濃い。

未来を予測することはできないが、準備しておくことはできるのではないかと本を読んで感じた。

今後実現する可能性が高そうなこととして
・IoTが普及し情報が細部まで収集されることによって起きる「サービスのパーソナライズ化」
・フリーミアムモデルの一般化(あらゆるものは無料に近づく)
・AIによるコスト低下、生産性の向上に伴う物、サービスの価格低下
・テクノロジーの進化に伴う人間の価値観や生活への変化が短い間隔で頻繁に起きる
・資本主義から価値主義への移行(情報を持つことで、いくらでも資本を増やすことができるようになる)
・アウターネット(衛星を通じたインターネット)
は興味深い一例だった。

こうした可能性の判断指標として
・ビジネス自体に社会的な公益性を持っているか?(Facebookが自社サービスを通じてアフリカのインフラ整備を行っているように)
・過去のテクノロジーが誕生した背景にある課題を解決できるテクノロジーが新たに誕生したかどうか?
・タイミングが適しているのか?(周囲の人は理解しにくい・否定的であり、自分でも成功率が50%であるとき)
が挙げられていた。

また、時代の急激な変化に自身も適応していく必要があり、その準備として
・今も本当にそれをやる価値があるのかを優先して考える癖をつけること
・努力に頼るより大きな流れに乗っていること
の重要性は感慨深いものがあった。

一方で過去から得られるパターンは繰り返される傾向がありそれを知っておくことも重要だと感じた。
・システムがある程度浸透すると、目的が霞んでしまい、そのシステム自体を維持することが目的にすり替わるパターン(進化を考えなくなる)
・目の前にある新しいサービスや商品を否定する割に、まだ実現していないテクノロジーに過度に期待するパターン
・インターネット普及前に主流だったプライベートエクイティ
経営難に陥った企業を買収し、再建計画を実行し、価値が向上してから売却して利益をあげるビジネスモデル

企業の業績より、筆者のこの高い見識と知見に、みんな賭けているんだろう。

それぐらい彼の発言そのものが面白い。

このあいだ上場したメタップスの社長である佐藤航陽氏の著書です
著者がビジネスという実践で培った未来を予測し、適切なタイミングで動き出すためのノウハウが書かれています。

未来を予測するためにはミクロな個別の事象ではなくマクロの視点でものごとのパターンを見抜いて、次に何が起こり得るのかを考察する必要があります。
ものごとのパターンを認識するためには変化を点ではなく線で捉えることにより発見することが出来る。そして導いたパターンから最終的な目的地はどこなのかを予測する。この手順で未来を予測することが出来ると著者は言っています。

また、未来が予測できるだけでも駄目で、成果が出せない程には早すぎず、みんながその価値を認めるほどに遅すぎないタイミングで動き出す必要があり、タイミングを測る方法として周囲に話して反応を見たり意図的に失敗を重ねることによってパターンを認識するなどの方法を説明しています。

率直に言って普段から未来を知っているかのような発言を繰り返す著者の事は胡散くさい人だなあと思っていました。本書を読んでもビッグマウスの印象は変わりませんが未来を予測することに心を砕いている人なのだ、ということは理解できました。

ストレージの大容量化からビッグデータそして人工知能への流れは、今となっては当たり前のことに思えますが、ビッグデータが流行ったタイミングでは分析のみがフィーチャーされていたように思えます。その時にディープラーニングに関する知識があれば人工知能が注目を浴びるという流れを読むことが出来たかもしれません
そういう意味で情報の重要さに改めて気付くとともに著者の言う手法にも試してみる価値はあるのではないかと考えさせられました。

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