東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命 の感想

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タイトル東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命
発売日販売日未定
製作者広瀬 隆
販売元ダイヤモンド社
JANコード9784478066768
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

この本は職場の色んな人に読んでもらいました。事実を知って絶望しましたが、自分でできることはやろう。勉強もしようと考えました。その後、日本と原発という映画を見に行った。福島原発の問題が何の解決もされていないのに次々と原発が再稼働。その理由がわかった。我々が日々使用する電力。電力会社は楽に儲かるシステムになっている。少しずつ、電気料金に上乗せすれば、ことたりるのである。そこに群がる、大手メーカー、メガバンク、政治家、等々。これまで新聞・マスコミも原子力を安全で夢のエネルギーだと宣伝し、我々はそう信じこまされてきた。事故後、安全基準から規制基準に変え、電力会社は、もう原発は安全だと言っていない。各原発に保管されているとんでもない量の使用済み核廃棄物。地震多発の日本の地中に埋めるとも言っている。電気をつくるのになぜ人間の手に負えないウランを核分裂させるのか。その後に残る猛毒なプルトニウム。一たび事故が起これば、広島・長崎の原爆被害どころではない。実際、福島の事故では、広島原爆の168個分のセシウム137をまき散らした。

原発が一番安い電力などという嘘はとっくに暴かれている。1970~2007年の電力コストの実績値(試算ではない)で原子力:10.68円、火力:9.90円 、水力:7.26円
となり原子力発電が一番高い(「原発のコスト」大島堅一著 岩波書店による)
さらに言うなら、放射性廃棄物の処分方法が未だに確立していないため、正確な原発コストを試算することすら不可能なのだ。確実に言えるのは、数十~数百兆円に昇るであろう後処理の費用負担は現在の若者も含めた将来世代に全て押し付けられることだ(おそらく火力発電燃料の増加という名目で)。何せ廃炉費用すらもロクに積み立てられていなかったというのだから驚きである。こんなお寒い現状を知りながらなお原発推進を訴えるネトウヨの方々は、原子力ムラの醜悪な老人連中にとってさぞ貴重な存在に違いない。

 著者の本を初めて読みました。ロックフェラー(ウェスティングハウス)+モルガン(GE)の米核マフィアと、ロスチャイルド(アレヴァ)の英仏核マフィアが、メディア/企業/政治家を動かし、原発/原水爆商売をマッチポンプで進めているビジネス構造。日本の原発の廃棄物処理生成物が各国の核弾頭に使われていたり、核拡散ビジネスに利用されているとは。

 戦後もプルトニウムを黒人等に注射して、放射能人体実験を続けた米国。その傘下の長崎や広島や福島の大学。731部隊残党、日本(笹川)財団、特高の正力(読売)、東大:茅誠司、中曽根。20msvどころではなく、2msvでも内部被曝なら、白血病/各種ガン、心臓疾患に繋がった実例と共に、ネバダ核実験場の東200kmで映画撮影したジョン・ウェインら俳優/監督の多くが白血病/ガンで死んでいることも存じませんでした。

 内部被ばくは蓄積されるので、チェルノブイリは29年経ってもそういった死が起きているとのこと。内部被ばくを無かったことにする活動は、日本だけではなく、国際ビジネス界にも強いことがわかりました。IAEA/ICRP/WHOという国際機関がビジネス(核マフィア)代表でしかないことも。

 ウラル東の再処理の街が、廃液の核爆発で吹き飛んでしまったことが、茨城県東海村や青森県六ケ所村で起こる可能性もあることや、内部被曝で静岡-糸魚川線以東(含:東京圏)もこれから白血病/ガン/心臓疾患/遺伝病が多発することが、表題の意味なのでしょう。

 食品の100ベクレル/kgという基準が内部被曝(蓄積)を考えてないことや、そもそもセシウムだけで、ストロンチウム/トリチウム/プルトニウムが測られてないこと等、説得力と信頼性を感じる記述が続きます。お薦めの一冊です。

 これは福島第一原発事故 (2011~ ) に関する本であるが、著者は意外な地点から語り始める。
 アメリカのネバダ州で1951~1958年までに行われた、合計97回に及んだ大気中の核実験と、その降灰地帯となったユタ,アリゾナを含む西部3州の住民等の過酷な被害、それが今回の福島事故と相似していると著者は言う。その論拠は本書に譲るが、私が驚いたのは、p.31 の「ネバダ核実験の風下で降灰地帯となった西部3州」の図だ。人口の多いカリフォルニア州やラスベガスには降灰していない。しかしこれは故意にそうしていたのだ!

“原爆が爆発すると、発ガン性を持った死の灰が降ることを、この1950年代の初めに当局は充分知っていた。…
そこで軍部と、AEC(原子力エネルギー委員会)、大統領たちは、人口が密集している地域に死の灰が降らないように配慮した。ネバダに隣接する州のなかでも、特にハリウッドを含むロサンジェルスなどの大都会を避けるため、カリフォルニア州に向かって風が吹いている時には、一度たりとも原爆実験をおこなわなかった。(pp.100-101)”

 つまり、大都市のために、西部3州の住民等は“切り捨てられた” 。このAECの思想をそのままそっくり輸入して原子力産業をスタートしたのが、わが国であった。(pp.102-107)
 その他本書にはたくさんの、人間性を捨て悪辣に振舞う原子力関係者が記述されるが、それが何故なのかと、その根源的な理由を、原子力黎明時から現在に至る歴史とともに考察したのがこの全9章である。

 そして、ネバダと福島が相似であるならば、著者広瀬隆氏がその懸念を端的に表したのが本書の題と副題の意味であり、現在は原発なしで煌々と光る東京圏や大都市圏と原発立地地域の写真を見て何を考えるかは、私たちひとりひとりの問題だ。

https://pbs.twimg.com/media/CKxTreFUAAAmHVH.jpg:large

Scott Kelly @StationCDRKelly 2015年7月25日
 

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ダイヤモンド社から発売された広瀬 隆の東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命(JAN:9784478066768)の感想と評価
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