プリズム (幻冬舎文庫) の感想
参照データ
タイトル | プリズム (幻冬舎文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 百田 尚樹 |
販売元 | 幻冬舎 |
JANコード | 9784344421929 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » ミステリー・サスペンス・ハードボイルド |
購入者の感想
多重人格…と聞くと、遠い世界の現実味のない物語に思える。
しかし、本文中の
「ふだん私たちが見ている光は色なんて見えないんだけど、プリズムを通すと、屈折率の違いから、虹のように様々な色に分かれます。人間の性格も、光のようなものかもしれないと思う時があります」
を読んだ時、多重人格という心の病?を身近なものに感じた。
自らの心を振り返る、または見つめるきっかけになった。そして、恐らくは近い将来、今より更に身近なものになっていくだろう心の病たちに対する偏見を少し消してくれる一冊でもあったように思う。
主人公の聡子は、美人だけど、女性の読者には、それほど魅力的には見えないだろう。しかし、だからこそ、岩本広志という多重人格を患う人物の中にいる交代人格の一人である、村田卓也に警戒しつつも、惹かれていく彼女の、赤裸々な心情は興味深く読める。聡子の理性と感情。それは、一見、多重人格にも見え…。
村田卓也は魅力的だが、いずれ岩本広志に統合されゆく人格。決して広志ではないけれど。
恋愛にはいろんな別れがあるけれど、こんな別れはあまりに非日常で、ドラマチック。
百田氏らしいエンターテイメントに仕上がっている。百田氏の作品らしく、読後には、自らの生き方を問われる。ぜひ多くの人に読んで欲しい。万人受けする作品ではないだろうが。だからこそ、多くの反応を引き出すことに、この作品の意味があるように思う。0
しかし、本文中の
「ふだん私たちが見ている光は色なんて見えないんだけど、プリズムを通すと、屈折率の違いから、虹のように様々な色に分かれます。人間の性格も、光のようなものかもしれないと思う時があります」
を読んだ時、多重人格という心の病?を身近なものに感じた。
自らの心を振り返る、または見つめるきっかけになった。そして、恐らくは近い将来、今より更に身近なものになっていくだろう心の病たちに対する偏見を少し消してくれる一冊でもあったように思う。
主人公の聡子は、美人だけど、女性の読者には、それほど魅力的には見えないだろう。しかし、だからこそ、岩本広志という多重人格を患う人物の中にいる交代人格の一人である、村田卓也に警戒しつつも、惹かれていく彼女の、赤裸々な心情は興味深く読める。聡子の理性と感情。それは、一見、多重人格にも見え…。
村田卓也は魅力的だが、いずれ岩本広志に統合されゆく人格。決して広志ではないけれど。
恋愛にはいろんな別れがあるけれど、こんな別れはあまりに非日常で、ドラマチック。
百田氏らしいエンターテイメントに仕上がっている。百田氏の作品らしく、読後には、自らの生き方を問われる。ぜひ多くの人に読んで欲しい。万人受けする作品ではないだろうが。だからこそ、多くの反応を引き出すことに、この作品の意味があるように思う。0