ベロニカは死ぬことにした (角川文庫) の感想

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参照データ

タイトルベロニカは死ぬことにした (角川文庫)
発売日販売日未定
製作者パウロ コエーリョ
販売元角川書店
JANコード9784042750055
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 外国文学・著者別 » カ行の著者

購入者の感想

若くて、きれいで、恋人もいるし、仕事もあり、両親の愛も足りているのに、死を決意する主人公。運び込まれた精神病院で、あと数日の命という宣告を受け、自分のこころをみつめていく。
ひとはみんなオリジナルな存在であり、それぞれどこかヘンなのだ。でも、いろいろなものに適応しようとするうちに、何か大切なものを抑圧してしまうのかもしれない。この小説の中の精神病患者は抑圧された何かを持ち、それに耐えられずに逃避してしまった「ふつう」の人たちであるように思う。ベロニカは、自分が知らない間に抑圧していたものの存在を認め、死が迫る中、自分のこころにしたがって生きようとする。自分のこころに忠実に生きることが、生きることであり、そうでなければ、体が生きているだけで、死んでいるのと一緒なのかもしれない。
命に期限が迫っていることに気づいて、ベロニカはこころのままに生きようとする。でも、実はすべての人の命に期限があるのであり、良く生きるにはこころのままに生きるしかない。(時として、勇気のいることだが。)
エンディングも暗いものではなく、とにかく、パウロ・コエーリョの他の作品と同様、生きる勇気を鼓舞するメッセージに溢れた作品である。

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