キッチン (角川文庫) の感想

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参照データ

タイトルキッチン (角川文庫)
発売日販売日未定
製作者吉本 ばなな
販売元角川書店
JANコード9784041800089
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » や・ら・わ行の著者

購入者の感想

初めて読んだのは中学生の多感な時期でした。感銘を受け、定期的に読み返してきました。進学就職結婚であちこちに引っ越しても捨てずに手元にありました。

母が亡くなり兄弟が亡くなり、久々に読み返したら、全く印象が変わっていて驚きました。
家族を亡くしたこの何とも言えない感じを言語化したすごい本です。
むしろ、家族の誰も亡くしてなかった頃の自分が、この本の何に感銘を受けていたのかとわからなくなりました。
誰も亡くしてない若い頃のばななさんが書いたことがすごい。
経験すると想像していたものとかけ離れていることってたくさんあるし、想像もつかないことばかりなのに、これを二十歳すぎに書けてしまうのはすごい。

表面的には恋愛の話だと思いますが、よしもとさんが描きたかったのは恋愛ではなく、この小説のしんとした透明な夜の感じとか、雰囲気、空気感だと思います。
読んでいると、この小説に出てくるシーンが、細かいディティールまで描かれて、私の頭の中では完全に映像化しています。それは、温度とか、匂いとか、味がしてきそうなくらい、リアルです。ここまで読者に伝わる表現力は、本当に素晴らしいです。
恋愛の話だとか、この小説から何かを読み取ろうとか思わずに、その世界観にだだ触れたい、くらいの気持ちで読んだ方が良いと、個人的には思います。
高校二年生の夏、初めてこの小説を読んで、今まで味わったことのない透明な気持ちになり、不思議な気分になったのを覚えています。
ひらがなが多く優しく柔らかい文章で読みやすいと思うので、中学生、高校生の方にも是非おススメです!

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