Photographer's Eyeビジュアルリファレンス : 図で理解する写真の構図とデザイン の感想

※サンプル画像 クリックで拡大します

いわゆる写真の教科書には書いてない大事な点が、作品を交えて解説されています。

そのセオリーを知らない人には、少し難しいかもしれませんが、初心者からのステップアップには良い本だと思います。

説明用では無い、リアルな著者の作品が使用されているのが良いと思います。

本書に出てくる作例は、ありがちな構図本のように、解説したいパターンに合わせて撮影したものではない。
『スミソニアン』や『ナショナルジオグラフィック』で活躍する著者が、実際に仕事で撮影した「本物」が使われている。
魅力的な写真で、見ているだけでも楽しい。

実際に使った写真だから、パターン先にありきではない。とても実践的だ。
アウトテイク写真などと比較したり、ビジュアル構造の分解図を示しながら、著者が現場でどう撮影したかも語っている。
普通の構図本とは、分類の仕方も少し違うように感じる。
たとえば、三分割法のように分割の比率は決めないで、「オフセンター」にまとめている。
グラフィック要素の大小、明暗などによって、むしろ黄金比などにこだわりすぎるとバランスが崩れるなどの指摘もある。
この方が、「どれくらい端に寄せようかな」とか考えながら撮影するようになって、上達できる気がする。