邪悪な少女たち (ハヤカワ・ミステリ文庫) の感想

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タイトル邪悪な少女たち (ハヤカワ・ミステリ文庫)
発売日販売日未定
製作者アレックス マーウッド
販売元早川書房
JANコード9784151807510
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

購入者の感想

この小説は辛く哀しい嘘で固められた過去と今を必死に生きる、二人の女の物語である。

人生は偶然の連なりでありながら人はある道を選び、あるいは選ばされ生きていく。しかしその選択が間違っていたら。
自分はなぜこんな立場に立っているのか気付いた時、今の境遇に満足を覚えるのだろうか。

二人の女は会うことを禁じられていた。それは自分たちが「保護観察」下におかれているからだ。彼女たちは、不都合な真実が白日の下に明かされる恐怖の中で生きてきた。

イギリスのリゾート地ホイットマス。遊園地<ファンランド>はあるが、住民たちは季節労働者のため非正規で働かざるをえず、ストレスをかかえ他人には無関心なのだ

アンバー・ゴードン。遊園地の清掃部で責任者をしているが、ゴミ置き場で死体を見つけてしまった女。恋人も同じ遊園地で働いているが性格に裏表がある。
アンバーは二十年前から<生まれ変わって別人になった。>はずだった。しかし偶然の出会いが過去の恐怖をつれてきた。

カースティ・リンゼイ。フリーのジャーナリストでホイットマス殺人事件の取材を始める。夫は失業中だが子供がいる。
カースティンは二十五年間、罪の意識に苛まれながらも、夫にも子供にも嘘をつき続けてきた。二十五年間孤独だった。自分の腐りきった人生の原点でもある、親愛の情と憎悪が入りまじった最初で最後の友達と再会するまでは。

脳裏にフラッシュバックするかのように<二人がいっしょにいたのは一日だけだった。たったの一日。>
その一日のできごとが断片的に時刻を区切って挿入される。

事件後、二人は別々の矯正施設に収容された。地獄の「ブラックダウン・ヒルズ」と天国の「エクスマス」。この時二人の立場は逆転した。一方は救われ、一方は懲らしめられた。
こんな不公平はない。憎しみが生まれた。

しかし二人に共通した今までの生活は<こわくてたまらない。><なにかに追われているような、なにかが背中から忍び寄っているような><むかしからずっと押し殺してきた恐怖><けっして隙を見せてはいけない。絶対に安心してはいけない。>

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早川書房から発売されたアレックス マーウッドの邪悪な少女たち (ハヤカワ・ミステリ文庫)(JAN:9784151807510)の感想と評価
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