The Prisoner of Heaven: A Novel の感想

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参照データ

タイトルThe Prisoner of Heaven: A Novel
発売日販売日未定
製作者Carlos Ruiz Zafon
販売元Harper
JANコード9780062206282
カテゴリ » 洋書 » By Publisher » HarperCollins

購入者の感想

1957年クリスマス前のバルセロナ、『風の影』の約2年後、主人公だったダニエルはベアトリスと結婚して既に子供が生まれ、相棒のフェルミンは新年にベルナルダとの結婚式を挙げようとしている。そんな折、ダニエルが店番をしていた書店に得体の知れない人物が訪れ、『モンテ・クリスト伯』の豪華本を買い、フェルミンへの献辞を書いた後、彼に渡してくれと言って、代金以上の金を払って立ち去る。この人物は誰で、フェルミンに何を求めるのか?その答えは、20年間隠されてきた恐ろしい秘密の中にある。・・・と、背表紙に書いてある文章を要約してみました。が、半分ほど読めばこの人物は謎ではなくなりますし、フェルミンに求めることなど本筋には大したことではありません。そもそも、この作品の本筋って何?(ここまで書いてしまうと、まだ読んでない人の読書の楽しみを奪うことになるのかな?)

『風の影』と『天使のゲーム』(最近邦訳が出ました)を読んで、面白かった、この作者の作品をもっと読んでみたいという方には、この本はお薦めです。★5つでもいいかもしれません。しかし、どちらもまだ読んでいない人にとってはどうでしょうか。最初の方に提示された謎は本筋ではなく、本筋であるべきものは始まったばかりで本が終わってしまう。何だこれはと感じるんじゃないでしょうか。まあ、作者の語りは上手いですようねえ。面白さはあるでしょう。で、ちょっぴり甘く評価し★4つにしました。

『風の影』はとても素敵な小説です。様々な筋がたっぷりと盛り込まれ、登場人物は誰も魅力的です。『天使のゲーム』は前作よりは単調ですが、しかし、十分楽しめます。ダニエルの母親のイザベルの若き日の姿が、鮮烈な印象を残します。本作は、『天使のゲーム』と『風の影』を補完するもので、実質は『風の影』の後日譚ではないでしょうか。本作だけで、フェルミンを魅力的なキャラクターと思う人は少ないんじゃないでしょうか。ダビド・マルティンも『天使のゲーム』を読んでいれば分かるけど、本作だけで分かるでしょうか?最後の方に登場するダニエルの従妹など、ダニエルの父親と並べれば『天使のゲーム』の最後のシーンと重なりますが、それが分かるのは『天使のゲーム』を読んだことのある人でしょう。

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