完全講義 民事裁判実務の基礎〈上巻〉 の感想
参照データ
タイトル | 完全講義 民事裁判実務の基礎〈上巻〉 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 大島 眞一 |
販売元 | 民事法研究会 |
JANコード | 9784896288599 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 法律 » 民法・民事法 |
購入者の感想
本書は要件事実の勉強に際して問題研究は当然潰したけれど薄くて物足りない、
しかし類型別や要件事実マニュアルは学習素材として通読するには無機的だなぁ
といった場合に最高の教育効果を発揮する一冊である。結論から言って「素晴らしい」の一言。
競合としては要件事実論30講という良い本があるが
あちらは前半の総論部分がややクドく何度も読むには文章が分析的かつ丁寧にすぎる(後半の演習部分はとても良い)。
対して本書は文章が極めてわかりやすく、また明晰であるため、流れるように読める。
端的な言い分方式のケースを多用して常に具体的にイメージを掴ませながら論述が進んでいくため
行間を読む必要がなく、何度も読むにも適した軽やかさであって、通読に適する。
しかも、レベルを落としたわかりやすさではなく講義調をベースとした上で
「論理を一つ一つ丁寧に積み上げ、きちんとした理解をとる」という一貫した哲学がゆきとどいた記述であるため
読むほどに自分の血となり肉となっていく感覚、「自分の頭で要件事実を考える」ということが少しずつ出来るようになっていく。
重要な発想は、冗長ではない範囲で異なる場面で繰り返し述べられていることもあって
通読により磐石な基礎を構築することが出来るよう、工夫もされている。
全体としてみれば、「暗記」ではない「考える」要件事実論が有機体としてガッチリ掴めるよう計算され尽くした構成となっている。
訴訟物・要件事実・事実認定の3段階で民事法を考えるクセが無意識に刷り込まれるために民商法の理解にも大きく資する。
民訴でいうと藤田「解析民亊訴訟」、刑法でいうと大塚「刑法総論各論の思考方法」のような読後感である。
すなわち教育効果の追求のみが徹底して図られており、最初から最後まで楽しみながら自習で完走可能な一冊である。
読者に対する配慮の充実という点で、凡百の学者本の遥か先を行っていると断言できる。素晴らしい。
扱っている内容も問題研究・類型別+αといったレベルでまとめられており過不足が無く
しかし類型別や要件事実マニュアルは学習素材として通読するには無機的だなぁ
といった場合に最高の教育効果を発揮する一冊である。結論から言って「素晴らしい」の一言。
競合としては要件事実論30講という良い本があるが
あちらは前半の総論部分がややクドく何度も読むには文章が分析的かつ丁寧にすぎる(後半の演習部分はとても良い)。
対して本書は文章が極めてわかりやすく、また明晰であるため、流れるように読める。
端的な言い分方式のケースを多用して常に具体的にイメージを掴ませながら論述が進んでいくため
行間を読む必要がなく、何度も読むにも適した軽やかさであって、通読に適する。
しかも、レベルを落としたわかりやすさではなく講義調をベースとした上で
「論理を一つ一つ丁寧に積み上げ、きちんとした理解をとる」という一貫した哲学がゆきとどいた記述であるため
読むほどに自分の血となり肉となっていく感覚、「自分の頭で要件事実を考える」ということが少しずつ出来るようになっていく。
重要な発想は、冗長ではない範囲で異なる場面で繰り返し述べられていることもあって
通読により磐石な基礎を構築することが出来るよう、工夫もされている。
全体としてみれば、「暗記」ではない「考える」要件事実論が有機体としてガッチリ掴めるよう計算され尽くした構成となっている。
訴訟物・要件事実・事実認定の3段階で民事法を考えるクセが無意識に刷り込まれるために民商法の理解にも大きく資する。
民訴でいうと藤田「解析民亊訴訟」、刑法でいうと大塚「刑法総論各論の思考方法」のような読後感である。
すなわち教育効果の追求のみが徹底して図られており、最初から最後まで楽しみながら自習で完走可能な一冊である。
読者に対する配慮の充実という点で、凡百の学者本の遥か先を行っていると断言できる。素晴らしい。
扱っている内容も問題研究・類型別+αといったレベルでまとめられており過不足が無く