3年以内に成功する男、消える男 の感想

　銀座ホステスやらCAやら世の中には「成功した男」のノウハウを明かす本は数あれど成長途中から観察し「これから成功する男」を見抜く本はなかったと著者は豪語する。

　ここに登場する「成功する男」は実業家からサラリーマンまでさまざまであるが、一様に自分の欲望に忠実で、それを隠さない。こだわりが強くわがまま、時には気に沿わない相手との約束はぶっちぎる。ま、かなり「鼻につく」男であることは間違いない。そのかわり時として侠気に溢れる「男が惚れる男」であることもある。
　う〜ん、まるでバブル期だ。著者自身もプロフィールによれば養護施設育ちであり暗い少女時代を送ったが努力の結果大学に進学、見事JAL国際線CAになったという「成功者」、500回を越える合コンをこなし、時には初デートの2週間後には彼と旅行に行く「肉食系」。何だかディスコから介護ビジネスに行ったコブラヘッド氏を思い出してしまいましたが…(失礼)

　確かに仕事だけでなく人も優先順位をつけて役に立たない人脈は斬る、とかコツコツ勉強しないがイザというときは必死に努力する、とかうなずける点は多々ある。早起き好きで運動好き、というのも。しかしこういう人で「消えて」いった人は本当にいないのか？(かなり毀誉褒貶ありそうだから、足も引っ張られるだろう)という疑問は残る。少なくとも老舗伝統企業ではこういう人ばかりが出世するわけではなく、温厚でバランス型が評価される企業もあるだろう。どちらかというと起業家、外資系、商社、等で活躍しそうなタイプですね。
　と思ったら、女性は“成功見込み”男性を見抜く知恵を、男性は「39歳までに」やっておきたいこととしてご活用ください、と帯裏にあった。既に手遅れ、失礼しました〜