帝国憲法物語 の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル帝国憲法物語
発売日販売日未定
製作者倉山 満
販売元PHP研究所
JANコード9784569821405
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

購入者の感想

「大日本帝国憲法」は不平等条約改正の為に文明国の体裁を整えるべくこさえた急場の「借物」などではない。日本の歴史と伝統に根ざしながら、当時の世界標準からしても先進的な内容を持った誇るべき憲法である。本書はそのために維新の元勲たちが捧げた情熱と努力の跡を尊敬の念をこめて綴ったものだ。帝国憲法を起草した伊藤博文が最も大きな影響を受けたのはオーストリアの憲法学者シュタインである。シュタインは伊藤に「自分はオーストリアの憲法ならいくらでも語れる。それは歴史を知っているからだ。私は日本の歴史を知らない。だから日本人にとっての憲法を講義することはできない」と言ったというエピソードがある。憲法とは歴史そのものなのだ。伊藤はこれを聞いて、井上毅とともに古文献にあたって日本の歴史を猛勉強したという。

法律用語では「実質的憲法」と言い、「国のかたち」あるいは「国柄」と言ってもいいが、明文化されてはいないが、君主主権や国民主権といった「政体」の区別以前に、その根本にあって国の統治のあり方を規定するもの、これが「国体」である。「国体=Constitution」と条文からなる「憲法典=Constitutional Code」の区別は、憲法のどんな教科書にも書いてある。氷山に例えて言えば、水面上に見えているごく一部分が「憲法典」で、水面下に広がる巨大な氷塊全体が「国体」である。シュタインの言うように「国体」は歴史と伝統に根ざすものであり、「憲法典」は本来「国体」に基づくべきものだ。護憲派、改憲派を問わず、昨今の改憲論議ではこの当たり前の前提が理解されていない。「国体」についての価値観・認識を共有せずして、条文いじりをしていても意味がない。これが倉山氏の基本的な立場だ。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

帝国憲法物語

アマゾンで購入する
PHP研究所から発売された倉山 満の帝国憲法物語(JAN:9784569821405)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.