エリジウム [Blu-ray] の感想

この作品には、３つの良い点がある。

この作品には誤解が多いようなので、
ネタバレを恐れずに、
その面白さを解説したい。

３つの面白さを全部、
感覚的に理解できるものにとっては、
この作品は珠玉の名作になると思う。

まず、
ままならないことが、
ままならないこととして描かれている点。

特に、戦闘がそうである。

敵にとっても、自身にとっても、
互いに必死なだけに、ままならない。

戦うたびに、互いにズタズタになっていく。
その描きかたが素晴らしい。

庶民は、権力のシステムに対し逆らえず、
理不尽に対しても、どうにもできない。

戦いとは、生活とは、生きること。

生きることとは、ままならないものだ。

だから、足掻く。

それがしっかりと描かれている。

次に、因果応報がひたすら描かれる点。

ぶっ壊せ！ぶっ殺せ！と、
足掻く者らを応援したくなる。
これが２点目の良い点。

そして最後に、これが理解できないと、
物語の展開すら理解できない、
重要なポイントがある。

そのためには、まず、
ぼくの話をさせてほしい。

ぼくには、
もう二十年も連絡をとっていない、
連絡先も、どこにいるかも知らない、
異性の幼なじみがいる。

思春期に、ある事情から、
会うことも、話すこともなくなり、
離ればなれになった幼なじみだ。

彼女の方は、幼い頃のように接しようとしてくれたが、ぼくが突き放した。
事情があってのことだが、それは今はいい。
とにかく、彼女とは疎遠になり、
ぼくは就職し、彼女は海外へと渡った。

ある日、その女性が、結婚したと聞いた。

第9地区にあった、ふざけた感じが抜けたのが良くなかったのかな~。
脚本も良くないし、キャラも魅力ないし。観てて、早く死なないかなと思わせるキャラだらけだし。
映像は文句無しだけど、それ以外がダメすぎます。マッドデイモンが勿体無いです。
オブリオン、パシフィックリムには届きません、う~ん残念です。
しかし、ジョディ―フォスターは何で出演したのだろうか？不思議だ。

フリッツ・ラングは映画「メトロポリス」において急速に突き進むテクノロジーが生み出す社会システムによって、人々が抑圧されていく悪夢の未来像を描き出した。
1927年、SF映画の黎明だ。
その後のSF映画は映像技術の進歩に伴い未来世界のビジュアルデザインを次々と刷新し、途上「ブレードランナー」のような一つの完成形と言える世界観を産み落とす。
世界の創造こそがSF映画の醍醐味だ。
しかし、時代を隔てながら多くのSF映画が共通に抱えていたのは、「メトロポリス」ですでに仄めかされたテクノロジーの急速な進歩に対する懐疑と不安だった。
テクノロジーおよび社会システムの作り上げる強固な枠組みが個人の生き方を制約し、人間性を摘み取られながら社会生活を強制される。
そんな悪夢。
無機質でより合理的なビジュアルデザインがそんな悪夢に説得力を与えるのだ。

ただ、こういう感じのSFには正直もう飽きた。
CGとか技術の進歩で表現できないイメージはほとんどなくなったけれど、それがもたらしたものって何でも表現できてしまうことの意外なつまらさなさと、ブレードランナーぽいものの焼き直しに付き合わされるデジャブの連続。
たぶんこのデジャヴの原因は、テクノロジー・システムによって個人が抑圧されるという物語の構図をずっと引きずっているからなんだろうな。
どんな斬新なビジュアルデザインを披露されても、テクノロジー対個人の関係性に新しい視点がなければそこにどうしたって古臭さを嗅ぎつけてしまう。

「第九地区」ならび最新作「イリジウム」を撮ったニール・ブロムカンプという変な名前の監督がいる。
この監督の作り出す世界観、これがなかなかいい。
一見するとよくあるSF映画に人種差別問題を織り込んだだけでそこが目新しいと見られがちではある。
だけど、この監督の描き出す世界の面白さは、テクノロジー、社会システムと人間の間に生じる妙なおかしさを捉えているところにある。
管理するシステムとされる側の人間の噛み合わない関係、どうしてもはみ出す連中が続出してしまう感じがなんか笑える。