ダイヤモンドセレクト 2015年 08 月号 [雑誌] の感想

もちろん題名からして「中高一貫校・高校ランキング」ですから、ランキングに惹かれて購入する場合が多いとは思います。
ただ、このランキングは、その順位の出し方を理解してから「読む」必要があると思います。例えば、有名私立大学の付属校から内部進学で進学する生徒の数は記載されていないようです。多くの生徒が他大学を受験せず内部進学する場合、当然ランキングは低くなっています。しかし、受験がないからこそ育まれている付属校のよい伝統・文化ってのもあるのですが、それはこのランキングには現れません。付属校でも他大学、しかも所謂偏差値の高い大学へ進学する生徒の多い学校の場合、もしくは推測ですが他校受験しても内部進学の権利の失われない付属校の場合、他校受験に挑戦する生徒は多くなると思いますので、当然ランキングは高くなっています。
ここで先ず読者のリテラシーが必要となるわけです(笑)
このランキングは、例えば16ページに記載のある様に、保護者の時代と今の時代の違いを読むために先ずは利用すべきだと思います。

さて、実はこの雑誌の肝は、冒頭の「東京大学＆京都大学 総長インタビュー」や「Part3 激変する大学入試制度と高校教育」にあるような気がしました。
取り敢えず大学へ行っておけば何とかなるかという牧歌的な時代ではなくなった昨今、これから大学がどうなろうとしているのかを見極め、そこへ行き、そこで学び、力を養うためにはどうすればよいのかということを考えるために、総長のインタビューを読みます。東西一校ずつ掲載されていますのでいいのではないでしょうか(笑)
また、グローバル化、国際バカロレア、大学入試の改革、アクティブラーニングetcといった言葉が昨今、踊り狂っていますが、その実態をよく分からずにいる生徒・保護者は少なくないと思います。そこらを上手く解説してくれているのがPart3の部分であろうかと思います。この項で、それら昨今の教育に関するトレンドを掴み、所謂「生きる力」「問題解決力」を付けるに教育を行っている学校に目星を付ければよいのだと思います。