日本語の観察者たち――宣教師からお雇い外国人まで (そうだったんだ!日本語) の感想
参照データ
タイトル | 日本語の観察者たち――宣教師からお雇い外国人まで (そうだったんだ!日本語) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 山東 功 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784000286282 |
カテゴリ | 人文・思想 » 言語学 » 日本語・国語学 » 日本語研究 |
購入者の感想
過去の言語を調べるには3つの方法がある。(1)すべて原典(あるいはその復刻版・ファクシミリ版)にあたって自分の目で確かめ自分自身の意見を述べる。(2)原典を見ることなくこれまでの研究書の意見をつなぎ合わせて論を進める。(3)原典(あるいはその復刻版・ファクシミリ版)をできるだけ参照しつつ、参照しきれない分は、これまでの研究書の意見で穴埋めする。通読したところ本書は(3)の手法を取っているようである。(「ようである」といったのは本書の参考文献では原著は省略されていて詳細が分からないからである)。164ページにメドハーストの書を『和英・英和語彙集』と紹介しているが、原典はAn English and Japanese and Japanese and English Vocabulary であるから『英和・和英語彙集』とすべきであろう。またその内容に触れて to saw の訳語にはno-ko-gi-ri-soor とあるが, 正確には To saw, No-ko-gi-ri-soor である(当時の辞書は見出し語、訳語の頭を大文字にする習慣があった)。加藤知己・倉島節尚編著2000『幕末の日本語研究 W. H. メドハースト英和・和英語彙−複製と研究・索引』(三省堂)を見る限りこうなっている。
細かく見れば難点があるが、全体としてはよくまとまった書であると思う。
細かく見れば難点があるが、全体としてはよくまとまった書であると思う。