国際情勢判断・半世紀 の感想

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参照データ

タイトル国際情勢判断・半世紀
発売日販売日未定
製作者岡崎 久彦
販売元扶桑社
JANコード9784594072384
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

世間が岡崎久彦という一風変わった外交官に気づいたのは、長坂覚という名前で雑誌「諸君!」に「隣の国で考えたこと」を連載したときのことだろう。韓国の政情や社会の実態についての分析もさりながら、当時の読者は、「日中国交(回復)交渉」や「中華民国切り捨て」に反対して、田中・大平政権を嫌って韓国に赴任する外交官がいたという事実に驚き、興味を惹かれたことだろう。
自己の職務上の信念とはいえ、組織原則に反する振る舞いをする者は、通常、周囲から忌避され、人事的には冷遇される。それを承知で生きる者は、「自ら恃むところすこぶる厚く」、また、家系的な誇りや、給料以外に家産を持つ「自由人」であるかも知れない。
岡崎は、自らを語ることにおいて禁欲的なスタイルをとり続けてきた。しかし、遺著となった本書において、岡崎は初めて自分について、語るべきことを語ろうとしている。
岡崎の祖父、岡崎邦輔は、陸奥宗光の従兄弟であり、立憲政友会の重鎮であった。明治の政治家らしい広大な敷地に建てられた豪壮な屋敷と女中や書生たちの姿。伊藤や西園寺との交際。書簡のやりとり。幼い日の岡崎の眼に焼き付けられた「江戸文化に育てられた侍であり、教養人でもある祖父の姿」は、岡崎の人格の原点にあるものである。
十五歳で敗戦を迎え、新制東大法学部に進むが、その勉学スタイルはすこぶる独自のものであつたようだ。東西古今の典籍に親しむ一方、肋膜で一年休学したこともあり、周囲には深い教養と熟慮が謎めいた印象も与えていた。

外交官としての岡崎が語る思い出の数々は、いずれも興味深いものだ。その中から、二つだけ選んで紹介しよう。

「ネットバックの導入」(110p)

ソビエト崩壊の原因に、レーガン政権の「SDI構想」と世界最大の産油国だったソビエトを困窮させ、「ペレストロイカ」の原因となった「原油価格の低迷」の問題がある。
原油価格は、1970年には、2、3ドルだったが、二度のオイルショックとイラン・イラク戦争で30〜40ドルに高騰した。この資金が、70年代のソビエトの軍拡の原資となり、アメリカとの対決姿勢を強め、「反核運動」という平和攻勢に繋がった。

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