トランクの中の日本―米従軍カメラマンの非公式記録 の感想
参照データ
タイトル | トランクの中の日本―米従軍カメラマンの非公式記録 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ジョー オダネル |
販売元 | 小学館 |
JANコード | 9784095630137 |
カテゴリ | ノンフィクション » 思想・社会 » 戦争 » 原子爆弾 |
購入者の感想
アメリカの従軍カメラマン、ジョー・オダネルが、
原爆投下後の広島や長崎を撮影した写真集だ。
何もなくなってしまった広島の街。崩れ落ちた長崎大浦天主堂。生存者の笑顔……。
中でも衝撃的なのが、「焼き場にて、長崎」である。
この写真だけでも、この本を買う価値がある。
幼い弟を背負った直立不動の少年。弟の表情は穏やかだが、首は大きく後ろに倒れている。
うながされて少年は弟をおろす。係員はその子を燃えさかる炎の上に乗せた――。
少年は焼けていく弟を見ることなく、じっと気をつけの姿勢で前を見続けたという。
ピンと伸びた指先……。
この写真集は、スミソニアン博物館での展示がキャンセルされた。
展示されたのは、原爆を投下した「エノラ・ゲイ」だけだ。
「原爆によって終戦を早めることができた」とアメリカは今も言う。
しかし、すでに戦争の勝敗は決していた。そこで何万人もの一般人を焼き殺す必要があっただろうか。
写真とともに添えられた文章が、いい。
写真に釘付けにさせられた視線を揺さぶるような文章。
国家の壁を越えた人間愛のようなものを感じる。
なお「焼き場に立つ少年」の写真は長崎市に寄贈され長崎原爆資料館に展示されている。
原爆投下後の広島や長崎を撮影した写真集だ。
何もなくなってしまった広島の街。崩れ落ちた長崎大浦天主堂。生存者の笑顔……。
中でも衝撃的なのが、「焼き場にて、長崎」である。
この写真だけでも、この本を買う価値がある。
幼い弟を背負った直立不動の少年。弟の表情は穏やかだが、首は大きく後ろに倒れている。
うながされて少年は弟をおろす。係員はその子を燃えさかる炎の上に乗せた――。
少年は焼けていく弟を見ることなく、じっと気をつけの姿勢で前を見続けたという。
ピンと伸びた指先……。
この写真集は、スミソニアン博物館での展示がキャンセルされた。
展示されたのは、原爆を投下した「エノラ・ゲイ」だけだ。
「原爆によって終戦を早めることができた」とアメリカは今も言う。
しかし、すでに戦争の勝敗は決していた。そこで何万人もの一般人を焼き殺す必要があっただろうか。
写真とともに添えられた文章が、いい。
写真に釘付けにさせられた視線を揺さぶるような文章。
国家の壁を越えた人間愛のようなものを感じる。
なお「焼き場に立つ少年」の写真は長崎市に寄贈され長崎原爆資料館に展示されている。