マクロ経済学入門 (シリーズ・新エコノミクス) の感想

当方、工学で修士を取得したものです。
経済学は全くの素人。現職も技術系。
社会人になり、教養として学ぶに当たり、この本を購入しました。

感想としては、かなり平易に書かれており、
理解しやすいです。
教科書というよりは、文庫本に近い印象です。

そのため、私のように始めて学ぶ人には
お勧めできるかな、と思います。
また、要所要所に興味をそそる話が入れ込まれております。
例えば、人的資本の項（４−５−２）では、
各国のＧＤＰに対する公的教育費支出のグラフが掲載されております。
この中で、ＯＥＣＤ諸国の中では、
日本の低さが際立っていることなどが紹介されております。

ただ反面、理解しやすさを重視するあまり、
内容の深さはありません。
例えば、３章「物価の測り方」は、
全１２章２００ページ中わずか１０ページ程度で終わってしまっており、
内容も各指標の紹介程度で終わってしまっています。
マクロ経済学で登場する変数には大抵、「実質（＝物価の変動を考慮する）」
という言葉がついて回ります。
その基礎となるこの章の扱いがこの程度、
というのは、、、、考え物です。

以上、総評すれば、マクロ経済学を学ぶ上での「入門書」としては
良書だと思えます。