内科学書 改訂第8版 の感想

朝倉内科も改訂して写真がキレイになりましたが、どうしても読みにくい、解りにくいです。ハリソンは訳本だけあって、文章がどうしても不自然で分かりにくく、写真・図が少ないです。感染症に力点が置かれるなど、日本国内向けでもありません。本書はなんとか理解させようとする姿勢が好感が持てます。どうしてももっと細かく・分かりやすく読みたいという分野がありましたら、アイメディスンなどの併用をお薦めします。

最新版（2013年10月発刊）とのことから、自分の専門に近い内分泌領域から読み初めて見ました。確かに全領域網羅されていますが、「甲状腺機能低下症」の部分が非常に詳しく甲状腺専門の書籍より参考になる一方で、「アルドステロンレニン比（ARR）」や「グルカゴノーマ皮膚病変の機序」など、部分的に既刊の書籍と比べ古さや情報量の少なさが目立ち見劣りする部分があることも確かです。内科全領域を網羅しようとする訳ですので、各項目の分担担当者力量に応じて記述のレベルに差が出るのは否めないでしょう。しかし、内分泌学会や高血圧学会が診断基準を示しているARRについて、明らかに古い版から改訂されていない事がみてとれ、一般医家向けに原発性アルドステロン症の啓蒙が行なわれている中で、あの様な古い記載が放置されているのは非常に問題であろうと感じます。各担当者毎の不均質さと言う点で、☆３以上の評価は出しにくいと考えられます。