アメリカは立ち上がる: ジェブ・ブッシュと石油新時代 の感想

　次期大統領選挙についてジェブ・ブッシュを推していたり、石油産業へのリスペクトが強すぎるのでは？と思ったりもしましたが、共和党が政権奪還する事で、ロシアに対抗すべくポーランドやバルト三国にアメリカ軍を駐留させる事が実現する可能性がある事は面白いなと思いました。ついでに言うならそこへ日本の原発を建設できれば鬼に金棒だとも思います。また石油が余って安くなるとしながらも、新しい原発技術開発の必要性も主張しています。
　共和党は政権奪還へ向けて着々と準備を進めていますが、そのキーとなるのがヒスパニック系アメリカ人にありそうです。民主党は以前からその支持獲得に力を入れていたようですが、共和党としても勤勉で貯金をし家族を大切にするという保守的な価値観を持つヒスパニック系アメリカ人の支持に力を入れはじめており、もうマイノリティではなく最大勢力と言っても過言ではないくらいです。

長く、米国に在住し、現在は、ハドソン研究所主席研究員を務める、稀代のアメリカウォッチャーによる最新刊です。

本書の目的が、「世界の大変動が始まっている。しかし、私がこの本でお伝えしようとしているのは、この大変動の様相そのものではない。この大変動が日本にいかなる命運をもたらすのか、読者に考えて頂くための情報である」ということで、早速、購入した次第である。

では、章ごとに、重要な点を、レビューしたいと思う。

〇アメリカを強くする石油の新技術

・アメリカでは掘りつくしたと思われる油田に炭酸ガスを注ぎ込み、残っている原油を掘り出す試みが始まっている
・アメリカの専門家は、こうしたやり方で向う１００年間、アメリカは石油を自給できるようになると予想している
・注目すべきは、「石油の時代は終わり、太陽熱や風力など代替エネルギーの時代になった」という、オバマ大統領をはじめアメリカの進歩派の学者たちの考え方が終焉したことである
・使い古した油田から原油を採掘することによって、安い原油を供給することができる

〇ヒスパニック化するアメリカ

・今やアメリカでは、３億の人口のうち５０００万人が、ヒスパニック系の人で占められるようになった。アメリカの国としての性格が変わったのは当然である
・この５０００万にのぼる人々は、アメリカ共和党にふさわしい保守的な人々である。宗教心が強く、良く働いて貯蓄し、家族を大切にする
・２００８年、２０１２年の大統領選挙でオバマ大統領がヒスパニックの票を多く集めて当選したことは、アメリカの政治の将来が、きわめて不確定であることを示している。新しい移民たちによって、政治がどのように動かされるか明確ではない
・私は、アメリカの人口分布が大きく変わり、民主党勢力が打撃を受けているところから、２０１６年も２０１４年に続いて共和党が勝つという予測を立てている

〇迫りくる金融危機

・アメリカの景気はこれから拡大する