撤退するアメリカと「無秩序」の世紀ーーそして世界の警察はいなくなった の感想

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参照データ

タイトル撤退するアメリカと「無秩序」の世紀ーーそして世界の警察はいなくなった
発売日販売日未定
製作者ブレット・スティーブンズ
販売元ダイヤモンド社
JANコード9784478029350
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

著者は弱冠39歳にしてピューリッツァー賞を受賞した保守系のジャーナリストである。

「撤退するアメリカ」という現象自体には薄々感付いている人は多いと思うが、
本書の特徴は経済・軍事・世論調査・歴史といったデータの数々を多用した分析だろう。
中東での戦争を9.11テロからではなく、冷戦期から俯瞰した視点によって
アメリカの外交方針の転換がまざまざと浮かび上がる。
主張としては「撤退反対」だが、そのプロセスで展開される議論自体が興味深い。

「覇権国家」の座は、スペインやオランダからイギリスに移り、
著者曰く1947年にギリシャやトルコでのソ連との対峙に音を上げた大英帝国から「世界の警察」の役割はアメリカに移った。

保守系の論客であるため、ややタカ派の外交論であることは否めないが
優れた論証や世界情勢への知識が説得性を担保している。
終わりのみえない中東情勢や、日本の後を追うような社会保障費の増大によって
今やリベラルだけでなく極右とされてきたティーパーティーですら
「撤退」を求める中で、本書の主張は確かな現実主義に裏打ちされている。

基本的に慎重な論理展開を重ねていくが
第8章だけは2019年の未来予測のパートとなっており
日本が中国と戦争状態に陥っていたり、ドイツが金融破綻しており
イスラエルがイランの核施設の攻撃を目論んだり、と大胆な予想が多いがご愛嬌だろう。

※個人的にはイーストウッド『アメリカン・スナイパー』であったり『ローン・サバイバー』、『ハート・ロッカー』『ゼロ・ダーク・サーティ』などハリウッドが中東での展開を描いた作品がことごとく「厭戦」モードが漂っていたのがよく理解できた気がする。

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