偽文士日碌 (単行本) の感想

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参照データ

タイトル偽文士日碌 (単行本)
発売日販売日未定
製作者筒井 康隆
販売元角川書店
JANコード9784041104736
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » た行の著者

購入者の感想

 ブログ日記の書籍化らしい。2008年6/27から2013年1/9までの分である。
 タイトルの「偽文士」、」また日録の録が、碌でもないの、碌になっているのは著者のてらい、または含羞であろうか。
 つまりSFという碌でもないものを(文学一般の見方からして、である。私はそう思っていない)書いてきて、いつの間にか大御所、大物作家扱いをされている自分の位置が、自分でも恥ずかしさをどこかで感じているのではないか?
 代表作といえば、若者は「時をかける少女」しか知らないであろう自分にである。
 この本を読んでいて、物故したSF作家、特に星新一の無念を思った。
 それは著者自身も十分に感じていることだろうと思われるが(もちろん誰が悪いわけではない、そうなってしまったのである)。

 私は昔から著者の作品は全部読んできたものであるが、昨今のものはがっかりすることが多い。
 ただそれは筒井康隆が傲慢になったからではなく、単に衰えただけだとは思っている。
 そして近著「聖痕」は読む気がしなく、ついに初めて手に取らないのではないかと思っている。

 本書の感想をいうと、ずっと自慢を読まされたような印象があった。もともと著者にはそういう傾向があるというか
 それが持ち味、魅力のひとつであるから責めることではないが、なんだか鼻につくようになってきたというだけのことである。それでも面白くないわけではない。
 長年読んできたファンとしては、筒井康隆はこういうところに来てしまったんだなあと、ある意味、納得するところがあるからである。

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