星の王子さま、禅を語る (こころの本) の感想

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参照データ

タイトル星の王子さま、禅を語る (こころの本)
発売日販売日未定
製作者重松 宗育
販売元筑摩書房
JANコード9784480841889
カテゴリ人文・思想 » 宗教 » 仏教 » 仏教入門

購入者の感想

文庫新刊コーナーで発見し、思わず手に取りました。
どう見ても見覚えある顔…タイトルは「星の王子さま、禅を語る」!
ちなみに、カバーイラストは南伸坊氏が担当されています。
2005年に日本での『星の王子さま』の著作権期間が満了し、
『星の王子さま』の新訳が数多く出版されましたが…
星の王子さまと禅という組み合わせは、まさに「禅問答」です。

しかし、本書は1988年に筑摩書房から刊行され、本書はその文庫化されたもの。
不明を恥じ入りながらも、臨済宗妙心寺派の僧侶である著者・重松宗育氏の「心眼」に接し、
実に多くの「気づき」を得られたことに、心より感謝申し上げたい。

著者には、本書以外にも『モモも禅を語る』、『アリス、禅を語る』も上梓されています。
また未刊として、『大草原のローラ、禅を語る』、『童謡の禅を語る』もあるそうです。

解説を記されておられる花園大学名誉教授・西村惠信氏曰く、
“文字や言葉が、作家の心からダイレクトに迸り出るとき、
それが他の者の心を揺り動かすとすれば、
これぞまさに禅における伝達そのものに他ならない。”

本書は奇を衒った安易なアイデア本の類ではありません。
不立文字、直指人心、脚下照顧、主人公、色即是空、空即是色、一隅を照らす、
自由、仏性、一期一会という十章から構成されていますが、
『星の王子さま』の名場面、名台詞が無理なく「禅的なもの」を内包していることが、
実にシンプルな文章で論証されていくことに驚かされます。

殊に「十牛図」を使った説明は、公案の臨済禅の面目躍如。
しかし、「はじめに」で重松氏が表明されているように、
難解な禅の専門用語は最小限に抑えられています。

また、著者はアメリカ文学を大学で担当されておられるだけに、
禅や仏教の引用に留まらず、パスカルの『パンセ』、エミリー・ディキンスンから、
漱石、唐詩選、果ては『宇宙からの帰還』に至るまで幅広い教養に裏打ちされた論旨は秀逸。

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筑摩書房から発売された重松 宗育の星の王子さま、禅を語る (こころの本)(JAN:9784480841889)の感想と評価
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