ながい坂(上) の感想
参照データ
タイトル | ながい坂(上) |
発売日 | 2012-12-01 |
製作者 | 山本周五郎 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | 文学・評論 » 文学賞受賞作家 » 直木賞 » 1-25回 |
購入者の感想
人生というものの縮図がここにあります。8歳の時に、一つの人生における分水嶺的な出来事に直面してしまった、小三郎が向上心と誇りを持って生きることを選んでしまったことから、この物語は始まります。
詳しい筋書きは省きますが、人の世はなんと生きにくく、人の心とはなんと難しいものであるかを思い知らされます。そんなことで妬むのか!そんなことを根に持つのか!おまえまでもがやっかんでいるのか!人間通とでも呼ぶのがふさわしい山本周五郎によって、人の心の奥襞があぶり出されていきます。
それでも負けじと頑張る小三郎は、やがて三浦主水正になり、主君の寵愛を受けるようになるが…。頑張ること、正しいこと、人のためになること、いずれもそれが賞賛さるべきことであると皆が分かっていることでありながら、人の世はそれを押し通すことを許さない。人間観察力において周五郎は、ドストエフスキーを超えていると思いました。
詳しい筋書きは省きますが、人の世はなんと生きにくく、人の心とはなんと難しいものであるかを思い知らされます。そんなことで妬むのか!そんなことを根に持つのか!おまえまでもがやっかんでいるのか!人間通とでも呼ぶのがふさわしい山本周五郎によって、人の心の奥襞があぶり出されていきます。
それでも負けじと頑張る小三郎は、やがて三浦主水正になり、主君の寵愛を受けるようになるが…。頑張ること、正しいこと、人のためになること、いずれもそれが賞賛さるべきことであると皆が分かっていることでありながら、人の世はそれを押し通すことを許さない。人間観察力において周五郎は、ドストエフスキーを超えていると思いました。