心が雨漏りする日には (青春文庫) の感想

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参照データ

タイトル心が雨漏りする日には (青春文庫)
発売日販売日未定
製作者中島 らも
販売元青春出版社
JANコード9784413093187
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » な行の著者

購入者の感想

サラリーマンの心は雨漏りしやすい。これまでに心が雨漏りしてしまった人をたくさん見てきたし、僕自身も袋小路に入って心が雨漏りしそうになったことがある。この手の雨漏りは自覚しないことが一番の予防策だと思っていたのだが、近くに雨漏りした人がいるとそうとも言ってられず、自分自身の、そして周りの人たちの予防薬として読むことにしてみた(実態を知ることは自覚しないことと相反するので少し勇気がいるのだが)。

サラリーマンは中島らも程に破天荒な生活を送っているわけではなので参考にならない部分も多いし、治すのではなく上手くつきあっていくべきとか、まずは医者に相談すべきといった処方は新鮮味がなかったりするのだが、以下の2つは心に残った。

一つは家族について。一般的に家族に打明けるのをためらいがちだが、らも曰く、「一時的には心配をかけるかもしれないが、なに、借りを返すチャンスは必ず巡ってくる」そうだ。このずうずうしい程の大胆さこそ、予防の第一歩のような気がするし、大胆な気持ちでいられるための信頼関係がなにより大切なのかもしれない。

もう一つは医者の一言。らも曰く、「治るよ」と言われるのが何より安心感を与えるそうである。一方で医師によると「治るよ」という言葉はケースバイケースのようなので、安易に言うべきではないらしいが、雨漏りしている人に安心感を与えることができたら、それはとても素敵なことだ。

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