人生について (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | 人生について (新潮文庫) |
発売日 | 2015-04-30 |
製作者 | 西尾 幹二 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101261522 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » な行の著者 |
購入者の感想
本著は著者西尾幹二氏の渾身の筆致による人間考察の書です。自身の体験や西洋の文献から紐解かれた人間についての洞察は、読むほどに奥深く、心に突き刺さるものがあります。
特に印象深い一文は「告白や懺悔は必ずしも真実をさらけ出す行為ではなく、むしろときとして真実を覆い隠す行為である」です。自己の誠実さ、また虚栄心を保つための告白や懺悔を著者は懐疑的な視点で一刀両断しています。
他にも「人間にとってどうにも解決できない相手は社会的、政治的な課題ではなく、自分という存在である」「私は懺悔どころか後悔さえしたくない。懺悔とか後悔とかは、現に存続している今の自分を裏切る自己欺瞞ということになる」など心に残る箴言が数多く書かれています。それらの言葉は自己を見つめ直すきっかけを与えてくれ、人生とどう向き合うかを示してくれます。
人はいかに生きるべきか、という教訓めいた言葉は直接的には書かれていません。しかし人間の深淵を鋭く見つめたこの書から、私達は多くのことを学ぶことができます。
特に印象深い一文は「告白や懺悔は必ずしも真実をさらけ出す行為ではなく、むしろときとして真実を覆い隠す行為である」です。自己の誠実さ、また虚栄心を保つための告白や懺悔を著者は懐疑的な視点で一刀両断しています。
他にも「人間にとってどうにも解決できない相手は社会的、政治的な課題ではなく、自分という存在である」「私は懺悔どころか後悔さえしたくない。懺悔とか後悔とかは、現に存続している今の自分を裏切る自己欺瞞ということになる」など心に残る箴言が数多く書かれています。それらの言葉は自己を見つめ直すきっかけを与えてくれ、人生とどう向き合うかを示してくれます。
人はいかに生きるべきか、という教訓めいた言葉は直接的には書かれていません。しかし人間の深淵を鋭く見つめたこの書から、私達は多くのことを学ぶことができます。