平和憲法の深層 (ちくま新書) の感想

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タイトル平和憲法の深層 (ちくま新書)
発売日販売日未定
製作者古関 彰一
販売元筑摩書房
JANコード9784480068279
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 法律 » 憲法

購入者の感想

   
 第189通常国会(2015年1月26日招集)に提出された“解釈壊憲”に基づく集団的自衛権行使を内包した2法案(平和安全法制整備法・国際平和支援法)に関し、6月4日の衆議院憲法審査会における「自民推薦」を含む3人の憲法学者が明確に「違憲」と論断した。この出来事に対して、官房長官の菅義偉は、同日の記者会見で「全く違憲ではないという著名な憲法学者もたくさんいる」と笑撃的な発言を行い、さらに、6月10日の衆院特別委員会(我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会)での辻元清美委員との質疑の中で、前記安保(=戦争)法案を「合憲」だとする「著名な憲法学者」の名を「たくさん」(笑)挙げた。すなわち、百地章・日本大学教授、長尾一紘・中央大学名誉教授及び西修・駒澤大学名誉教授の3人である。まず、この3人が全員“復古調の憲法制定”などを目指す「日本会議」の関係者たちであることを、私たちは記憶に留めておく必要があるだろう。

 さて、この3人の中で、例えば西修は第一次安倍政権で設置された「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)のメンバーであったりしているのだが、その西の現行憲法に対する考え方を、私の手元にある『日本国憲法を考える』(文春新書1999年)から見てみよう。西は第一に、現行憲法を「誤憲」とし、「その最大の理由は、総司令部や、極東委員会の圧力のもとで、きわめて短期間に急いでつくられたからにほかならない」(前掲書p.31)としている。そして、日本国憲法成立の“非自発性=欺瞞性”を、「八月革命」説で有名な宮沢俊義氏(東京大学名誉教授、貴族院議員 1899−1976)の言説等に求め、所謂「押し付け憲法」論を主張している。こうした現行憲法観に対して、西と同じ早稲田大学大学院出身で、西の後輩筋に当たる本書の著者、古関彰一・獨協大学名誉教授は、改めて現行憲法の成立過程などを検証し、瞠目すべき「憲法誕生」の経過を説述している。

 まず、私も大学の教養課程で学んだ「宮沢憲法学」の問題等に関しては、本書のもう一つの肝でもあるので割愛することとし、ここで一人のキーパーソンを紹介したい。それは鈴木安蔵(静岡大学名誉教授

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