ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫) の感想

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タイトルハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)
発売日販売日未定
製作者阿部 謹也
販売元筑摩書房
JANコード9784480022721
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » 伝承・神話

購入者の感想

 『ネズミを退治した笛吹き男に、街の人たちはお礼のお金を払いませんでした。
 次の日、男が吹く笛の音に誘われて、街中の子供達が付いて行き、行方不明になりました。』
 ちいさなころソノシートつきの絵本を見て、
「楽しい音楽に誘われて、子供達はどこにいったんだろうな。」
とあこがれたものでした。
「大人は悪いことをしたから悲しい思いをしてあたりまえだけど、子供達はなんにもしていないんだから素敵な場所に行ったに違いない。」
 と幼いなりに理由をつけて考えていたのでした。
 この本には、子供達の失踪の史実あり、それが伝説になり、それを下敷きにして童話になったと書かれています。
 事件発生当時のハーメルンの市の様子、政治の状態。
 伝説が変化していく際の市の状況や市民達の心理状態。
 また、変化させていく人達の身分や目的などが細かく説明されていて、とても興味深く読みました。
 さて、私が幼いころ感じていたことの答えも載っていました。
「大人の世界で営まれるこうした醜悪な所業の責任をとらされるのは、しばしばいとけない子供たちである。」
「素敵な場所に行ったのではない」
と、伝説を伝えてきた人々ははわかっていたのですね。
 真実が内包されているため、この伝説は今日も印象深く世界的に有名になったのだとも語られています。
 伝説の根拠になった資料や、各研究者の資料などを引用し、現在わかっている事を書いてある本です。
 私は歴史は詳しくないのですが、丁寧な解説ですのでスラスラと面白く読みました。
 歴史、伝説に興味をお持ちの方におすすめです。 

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筑摩書房から発売された阿部 謹也のハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)(JAN:9784480022721)の感想と評価
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