すごい! 日本の食の底力 新しい料理人像を訪ねて (光文社新書) の感想
参照データ
タイトル | すごい! 日本の食の底力 新しい料理人像を訪ねて (光文社新書) |
発売日 | 2015-04-16 |
製作者 | 辻 芳樹 |
販売元 | 光文社 |
JANコード | 9784334038533 |
カテゴリ | ジャンル別 » 暮らし・健康・子育て » クッキング・レシピ » フレンチ |
購入者の感想
ご存じ辻調総帥の最新刊です。
今回は「文化」としての「和食論」ではなく、「産業」としての「和食論」という視点で構成されております。
(たぶん)
通常の産業では当たり前なのですが、「生産」→「流通」→「加工」→「消費」→「アフターフォロー」という垂直構造を意識しながら、可能であれば自己完結もしくは、漸進的かつ自己成長的に生成、育成、構成されていくのでしょうが、飲食の世界においては大手チェーン以外は個人経営の小店のため当然のこととしてそうしたフローを自己所有、育成することは難しく、逆にいかに外部化するかが成功の方程式として、垂直統合的というよりは水平的に特化していくことを評価されてきた訳ですが、グローバル化とIT化による日本と和食の急速な評価の高まりのなかで、料理人も平均的な産業内労働者として、むしろ批評サイトなどによる常時360度の角度から批評の対象となった結果、新たな価値の創造として水平方向に特化していた技術の向上だけではなく、垂直方向への展開、進出によって新たな価値の創造に成功し、和食のなかでも更なる評価を高めて行った過程が描かれているように思われます。
多少シニカルな見方をすれば、著書のなかで取材対象となっている料理人=経営者が意識してか否かはわかりませんが、徒弟制度的な「特殊産業」から脱して通常の産業、普通の企業と同じビジネスモデルを展開することが、評価を高める要因だったということです。
著書に書かれていることはまさに中小零細企業が大企業に脱皮していく成長過程と重なる内容です。
もちろん彼らの取り組み、チャレンジは評価に値する訳ですが、裏を返せば、普通のことに取り組んでみたら却ってうまくいったというような内容なのかもしれません。
現状の「日本フィーバー」のなかで日本の文化をクールと評価する評価軸は1先進的な技術力2ポップカルチャー3伝統的手法の継承の3つにあると言われますが、料理界のなかでも上記の軸に第4の軸として「日本的な経営手法(垂直統合式)」を加えた結果に将来的な成功の方程式があるということでしょうか。
今回は「文化」としての「和食論」ではなく、「産業」としての「和食論」という視点で構成されております。
(たぶん)
通常の産業では当たり前なのですが、「生産」→「流通」→「加工」→「消費」→「アフターフォロー」という垂直構造を意識しながら、可能であれば自己完結もしくは、漸進的かつ自己成長的に生成、育成、構成されていくのでしょうが、飲食の世界においては大手チェーン以外は個人経営の小店のため当然のこととしてそうしたフローを自己所有、育成することは難しく、逆にいかに外部化するかが成功の方程式として、垂直統合的というよりは水平的に特化していくことを評価されてきた訳ですが、グローバル化とIT化による日本と和食の急速な評価の高まりのなかで、料理人も平均的な産業内労働者として、むしろ批評サイトなどによる常時360度の角度から批評の対象となった結果、新たな価値の創造として水平方向に特化していた技術の向上だけではなく、垂直方向への展開、進出によって新たな価値の創造に成功し、和食のなかでも更なる評価を高めて行った過程が描かれているように思われます。
多少シニカルな見方をすれば、著書のなかで取材対象となっている料理人=経営者が意識してか否かはわかりませんが、徒弟制度的な「特殊産業」から脱して通常の産業、普通の企業と同じビジネスモデルを展開することが、評価を高める要因だったということです。
著書に書かれていることはまさに中小零細企業が大企業に脱皮していく成長過程と重なる内容です。
もちろん彼らの取り組み、チャレンジは評価に値する訳ですが、裏を返せば、普通のことに取り組んでみたら却ってうまくいったというような内容なのかもしれません。
現状の「日本フィーバー」のなかで日本の文化をクールと評価する評価軸は1先進的な技術力2ポップカルチャー3伝統的手法の継承の3つにあると言われますが、料理界のなかでも上記の軸に第4の軸として「日本的な経営手法(垂直統合式)」を加えた結果に将来的な成功の方程式があるということでしょうか。