受動喫煙の環境学―健康とタバコ社会のゆくえ の感想

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タバコ関係の書籍というと、大抵は健康問題に焦点を当てていて、タバコの有害性を説くばかりのものが多いが、
この書籍は、タバコという存在を生活環境との関わりで検証したものである。本書の中盤では、
タバコのマナー広告が伝えようとしているその真意は、実は巧妙にタバコの販売側に有利に設計されたものだという
他に類を見ない詳細な分析がなされている。「マナー」や「分煙」が喫煙対策の本当の解決なのか、
その解決方法は一体誰が言い出したものなのかを今きちんと問い直すためにも、本書の分析は役に立つし一読の価値はある。

タバコ問題に興味のない人が読んだら面白くなさそうな内容だと思うかもしれないが、
殆どすべての人が飲食店や職場という喫煙と関係のある環境で生活している。
それゆえに、本書はタバコを吸わない人が読んでも、生活環境とタバコという新しい観点で情報が得られる面白い内容になっている。