日本インターネット書紀 この国のインターネットは、解体寸前のビルに間借りした小さな会社からはじまった の感想
参照データ
タイトル | 日本インターネット書紀 この国のインターネットは、解体寸前のビルに間借りした小さな会社からはじまった |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 鈴木 幸一 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062189446 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » ビジネス・経済 » IT |
購入者の感想
現代経営者の著書で久方ぶりに心打たれ、改めてエネルギーを頂いた。 著者は日本でインターネットの世紀を切り拓いたインターネットイニシアティブの創業者で現在会長を務める。 帯には「この国の壁、そして通信の巨人に挑んだ経営者の壮大な夢と危機感」とある。 この国の壁とは、1990年代初頭の郵政省の通信行政の壁。 通信の巨人とは今のNTT。 そして危機感とは、インターネットの持つ本質の意味を未だ日本の為政者が良く理解しておらず、国防のありかたまで変わる恐ろしさであり、それを認識していないと警鐘を鳴らす。 行政の壁という側面では、宅急便サービスを開始したヤマト運輸の社長小倉昌男の「経営学」が心に残る。 今後本書は、それに並び行政の壁に立ち向かった経営者の足跡を記したものとしてビジネス書の歴史に残るだろう。 ドッグイヤーと言われるとてつもなく技術や事業環境の変化の速いインターネットや情報機器の世界での起業家を描いた本としては、アマゾンを描いたThe everything store、ザッポスを描いたDelivering Happiness, そしてアップルのSteve Jobs などがある。 しかし、どれもアメリカの話。 本書は日本のインターネットを切り拓き育てた鈴木幸一が、その半生を掛けた戦いを語っており痛快でもある。 本書は文章の切れ味良く、一気に最終ページに読み進む。 今、現役で頑張っている方々には、色々な場面を自身に重ね合わせることで、言いようもないエネルギーを得られるはずだ。 ビジネスパーソン必読書だ。