The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA) の感想

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参照データ

タイトルThe Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)
発売日販売日未定
製作者伊藤 計劃
販売元早川書房
JANコード9784150310608
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » あ行の著者

購入者の感想

 この短編集は素晴らしい。すべての短編を解説したいくらいだが、本当にそうするとまとまらなそうなので、特に一押しの「From the Nothing, with Love」について。
 ネタバレにならない程度のあらすじ。主人公は007でおなじみジェームズ・ボンド。彼の「出生」に関係するある研究で、その関係者が立て続けに死亡する事件が発生した。最高機密である研究の妨害を企てる者がいると判断したMI6は、ボンドに内密の事件捜査を命じるが・・・。
 わずか59ページながら、すごい密度だ。彼の遺した3つの長編にも見られる「この物語が語られる意義」「単なる内輪ネタに終わらない設定」「モノとしての脳」などの要素が、この時点で網羅されており、かつ完璧に編まれている。
 冷戦の時代からテロの時代まで今なお語り継がれる007というシリーズを、SFにしかできない視点で語り直す。この短編を読むためだけでも本書を購入する価値は十分にある。

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