A Pale View of Hills (English Edition) の感想

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参照データ

タイトルA Pale View of Hills (English Edition)
発売日2009-01-08
製作者Kazuo Ishiguro
販売元Faber & Faber Fiction
JANコード登録されていません
カテゴリLiterature & Fiction » Authors, A-Z » ( I ) » Ishiguro, Kazuo

購入者の感想

2011年に著者が来日した際、NHKのインタビューで、彼がこの小説のテーマは「記憶の持つ曖昧さ」であると述べていた。長崎は彼が生まれ5歳まで育った土地であるが、渡英して時がたつにつれ、自分の持つその長崎の記憶は、自分の中で徐々に変化しいき正しい現実との乖離が進んでいると、著者は思うようになったという。記憶とは完全なものではなく、変化していくものであり、その変化は無意識的なものであるがゆえに、それを止める術はない。しかし、その記憶を文章として書き残すことは、唯一記憶を固定化することを可能にするのではないか、と思い、自分が現時点で持っていた長崎の記憶を、何らかの形に残すためにこの作品を書くに至った、と。
本作を読んでみると、確かに「不確かな記憶」がそのテーマであることがうかがえる。著者の作品は、その多くが、語り手が過去を回想する形で物語が始まり、現在と過去を行きつ戻りつしながら物語が進行していくのだが、その主観的な回想の仕方がなんとも独特で、味わい深い。本作もそれは同じであり、奥ゆかしい控えめな日本人女性であるEtsukoが、夫と娘を失ってイギリスのfarm houseに静かに住んでいるところに、次女のNikiが訪ねてきて、彼女と時を過ごしつつも、昔住んでいた長崎のことを回想する、という設定。当時の長崎は第二次世界大戦終結後の間もない頃で、Estukoは当時はまだ新しいコンクリートのアパートに、夫のJiroと住んでいる。腹には初めての子供を身ごもっている。ある日、アパートから見える川辺の古い家に、いかにも訳ありと言った具合の母娘が越してくる。ふとしたことから、その母娘と知り合いになるEsukoだが、母(Sachiko)にはアメリカ人の恋人がいるようだし、娘のMarikoは学校にも行っていないようである。しかし、Etsukoは余計な詮索をすることなく、Sachikoと友達付き合いを始める。そして、SachikoとEtsukoの付き合いを中心に、淡々と物語は進む。時に、義理の父Ogata

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