ひかりナビで読む 竹取物語 (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトルひかりナビで読む 竹取物語 (文春文庫)
発売日2013-12-04
製作者大塚 ひかり
販売元文藝春秋
JANコード9784167838980
カテゴリ古典 » 日本の古典 » 古代・中世文学 » その他の物語文学

購入者の感想

待ってました、ひかりナビ!!
本の『脚注』で胸躍ることはないけど、源氏物語〈第1巻〉桐壺~賢木 (ちくま文庫)で出会った『ひかりナビ』という脚注は、こちらの知的好奇心をわっさわっさと揺さぶり、物語の面白さを300パーセント引き上げてくれるような愉悦のナビゲーションでありました。本文よりむしろナビのほうが面白いほど。
そのありがたみはしっかり体に刻みつけられてまして、そしたら今度は『竹取物語』ですと! 
個人的に大好きな話に付いてくれて、は〜うれしや、願いがかないましたよ。

竹取物語は短いお話ですが、ギリシア悲劇の『オイディプス王』のように、古今東西すべての物語の母体というか、あらゆる映画や小説などエンタメもののベースというか、製作技法のお手本のような、優れた物語であることが、この本でよくわかりました。
竹取物語って、原本のようなものがいくつかあったうえで、洗練された完成形なのですね。
それらの原型の話や、また物語に出てくるアイテム――かぐや姫が婿の候補者に出す難題の品々――が、いつの、どの本や事象からインスパイアされたものなのか、などを細かく手ぬかりなく丁寧に教えてくれます。それだけじゃありませんよ、背景や、登場人物のモデルになった人物、言葉のあれこれ、などなど、もう本当あらゆる角度から物語を分析してくれます。

痛快なのは、竹取に出てくる男たちの人物解説。
この、それぞれが宝を手に入れようとするエピソード集は、千夜一夜物語のような冒険譚であり、アイテムもロマンチックで、一番ワクワクするところなのですが、それに大塚ひかり目線の、それぞれの男らの人柄考察が加わって、すこぶるゴキゲンなパートでした。
私には、ほとんどの男が阿呆のように見えて、コメディのようでもあり。あまりの間抜けなセリフの連発には吹き出しました。

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