ハーバード×慶應流 交渉学入門 (中公新書ラクレ) の感想
参照データ
タイトル | ハーバード×慶應流 交渉学入門 (中公新書ラクレ) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 田村 次朗 |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784121504814 |
カテゴリ | ジャンル別 » ビジネス・経済 » ビジネス実用 » ビジネス交渉・心理学 |
購入者の感想
交渉=ネゴシエーション
日本人には、ネゴシエーションは「交渉術」という道具(ツール)であって、「交渉学」という学問でないという先入観があるかもしれない。私自身、米国のビジネススクールでネゴシエーションを学んで以来、同じような感覚を持っていた。それもあり、本書タイトルにある「交渉学」という単語に、最初は若干ながらも違和感を覚えた。
しかし、本書を読んで考え方は変わった。ネゴシエーションは学問としての「交渉学」に十分進化した。
本書では、交渉学の大家ロジャー・フィッシャーの理論を土台に、他専門家の主張や理論で肉付けし、更に筆者の考察を盛り込んでいる。近江商人が唱える「三方よし」を、ネゴシエーションと結びつけた視点には、日本人として溜飲が下がる思い。
ネゴシエーションの現場で活用できるフレームワークも、過不足なく簡潔に紹介されており、理論書に留まらず、現場で使える実用書としても十分なレベルに仕上がっている。
全体にわたってシンプルな構成、平易な文章が貫かれており、初心者の入門書に打ってつけであることは疑い無いが、それに加えて、中上級者が理解を再整理する際にも、その目的を十分にサポートするだろう。
筆者が教鞭をとる慶応義塾大学の教養課程で、「交渉学」が授業として採用されたと聞く。本書もうまく活用しながら、日本の若い世代がネゴシエーションを体系的に学び、それぞれの領域で、世界にしっかりと発信していけるきっかけとなって欲しい。0
日本人には、ネゴシエーションは「交渉術」という道具(ツール)であって、「交渉学」という学問でないという先入観があるかもしれない。私自身、米国のビジネススクールでネゴシエーションを学んで以来、同じような感覚を持っていた。それもあり、本書タイトルにある「交渉学」という単語に、最初は若干ながらも違和感を覚えた。
しかし、本書を読んで考え方は変わった。ネゴシエーションは学問としての「交渉学」に十分進化した。
本書では、交渉学の大家ロジャー・フィッシャーの理論を土台に、他専門家の主張や理論で肉付けし、更に筆者の考察を盛り込んでいる。近江商人が唱える「三方よし」を、ネゴシエーションと結びつけた視点には、日本人として溜飲が下がる思い。
ネゴシエーションの現場で活用できるフレームワークも、過不足なく簡潔に紹介されており、理論書に留まらず、現場で使える実用書としても十分なレベルに仕上がっている。
全体にわたってシンプルな構成、平易な文章が貫かれており、初心者の入門書に打ってつけであることは疑い無いが、それに加えて、中上級者が理解を再整理する際にも、その目的を十分にサポートするだろう。
筆者が教鞭をとる慶応義塾大学の教養課程で、「交渉学」が授業として採用されたと聞く。本書もうまく活用しながら、日本の若い世代がネゴシエーションを体系的に学び、それぞれの領域で、世界にしっかりと発信していけるきっかけとなって欲しい。0