臓器の時間――進み方が寿命を決める(祥伝社新書) の感想

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参照データ

タイトル臓器の時間――進み方が寿命を決める(祥伝社新書)
発売日販売日未定
製作者伊藤 裕
販売元祥伝社
JANコード9784396113483
カテゴリ暮らし・健康・子育て » 家庭医学・健康 » 家庭療法・医学 » 老化

購入者の感想

  著者の新刊書である。
  私たちの体を成す60兆個もある細胞内でエネルギーを作っているミトコンドリアの由来は、進化の過程で共生することになったバクテリアだ。このミクロの同居人が進化の飛躍をもたらしたが、細胞を死に至らすことにもなった。つまり、私たちの体はミトコンドリアのご機嫌次第である。そしてまた、マクロの同居者として腸に住まわせたのが約1kg もの大量の腸内細菌。この飼い方を誤っても、重大な病気をおこす。これらを踏まえ、メタボリックドミノを示しながら人生の時間軸を背景として健康法を説いたのが、前書「臓器は若返る メタボリックドミノの真実」「腸!いい話 病気にならない腸の鍛え方」であった。
  続く本書では、臓器間のつながりと臓器の記憶(メモリー)理論が強化され、「時空医学」に発展し、それに基づいて各年代での臓器の特性と鍛え方が述べられている。人生は確実に胎内から始まり、その時の臓器の暮らし方はメモリーされて、後々までも残るのだ。
さて、「時間」が指す意味は何だろう? 一般には、次の3つ。過ぎてしまった時の長さ、例えば年齢など; 時の移ろう速さ、速度のこと; 試合時間や持ち時間など、つまり将来の時の長さ。本書での「臓器の時間」は、著者は、臓器が持つ稼働時間である砂時計の「砂」が落ちていくスピードのことだと述べているが、場面によってはこれら3つが混在しているようだ。また著者はミヒャエル・エンデの「もも」を引きながら、時間は過去、現在、未来の3つの要素からなるが、毎日の時間は繰り返しのようでもこれら過去、現在、未来は全く同じではなく、時間の中で私たちは変化し、過ぎゆく時間の中で生きていくことは「らせん階段を上っていくのに似ている」、と述べている。なんと素晴らしい見事な例えだろうか。そして、その時間のらせん階段を回る間に、体内のらせん糸、DNA、が変わっていき、今日と違う未来が作られる。それがエピジェネティックだったり、老化なのであろう。人生は二重にらせん状で、全く、あざなえる縄のごとし、なのだ。

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