わかる仏教史 の感想
参照データ
タイトル | わかる仏教史 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 宮元 啓一 |
販売元 | 春秋社 |
JANコード | 9784393135051 |
カテゴリ | 人文・思想 » 宗教 » 仏教 » 仏教入門 |
購入者の感想
仏教誕生から江戸時代の日本仏教まで、びっくりするほど巧みに平易に噛み砕かれた、仏教史の解説本です。初心者むけですが、ある程度の断片的な知識をもちつつ、中途半端な仏教理解しかできていない人(私だ)も、仏教史の全体的なイメージをきっと獲得できるので、やはり大推薦します。ところどころ、著者のすっぱりとしたまとめ方では収まらず、もっと異論が飛び交っている部分もあるにはあるのですが、しかしこの見事な簡潔さの前では、細かい議論はとりあえず脇においておきましょう、という感じです。
メインは、あくまでインドです。著者の専門だから、というのもあるのでしょうが、というよりもむしろ物事の根本をちゃんと語っておかねばならん、という信念ゆえでしょう。この本が書かれた動機も、日本の仏教関係者があまりにいいかげんな「仏教」の来歴を思い描いているからだ、ということです。ただし、インドと日本をつなぐ重要な中国仏教にも、けっこう詳しくふれられています。
あと、数ページごとにおまけでつくイラストが、いいなと思いました。イスラムの侵攻でインド仏教が滅びる無残を表現した絵とか、各種の問題に悩める最澄のユーモラスな姿とか、印象に残って理解の助けになりました。傑作なり。
メインは、あくまでインドです。著者の専門だから、というのもあるのでしょうが、というよりもむしろ物事の根本をちゃんと語っておかねばならん、という信念ゆえでしょう。この本が書かれた動機も、日本の仏教関係者があまりにいいかげんな「仏教」の来歴を思い描いているからだ、ということです。ただし、インドと日本をつなぐ重要な中国仏教にも、けっこう詳しくふれられています。
あと、数ページごとにおまけでつくイラストが、いいなと思いました。イスラムの侵攻でインド仏教が滅びる無残を表現した絵とか、各種の問題に悩める最澄のユーモラスな姿とか、印象に残って理解の助けになりました。傑作なり。