野火 (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | 野火 (新潮文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 大岡 昇平 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101065038 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説 |
購入者の感想
本書は、生還率3%と太平洋戦争中最も苛酷な戦場となったレイテ島において、
実際にあったと言われる兵士同士の人肉食いがテーマとなっている。
こういう事態が起こった背景には、補給を殆ど無視した軍の無謀な作戦によって
多くの兵士が飢餓状態に陥ってしまったという事実がある事を一応指摘しておきたい。
本書で描かれた兵士同士の人肉食いを通して、
極限状態に置かれた人間が、どこまで人間としての尊厳を保つ事が出来るのか?
そもそも人間性とは何かについて考えさせられる。
そして「人間はどんな異常の状況でも受け容れることが出来るものである」
という本文中の言葉から、人間性を超えた生命力の凄まじさを感じた。
文学作品としても再度棒線を引きながら熟読してみたい程、
文学的完成度の高い傑作だと思う。
実際にあったと言われる兵士同士の人肉食いがテーマとなっている。
こういう事態が起こった背景には、補給を殆ど無視した軍の無謀な作戦によって
多くの兵士が飢餓状態に陥ってしまったという事実がある事を一応指摘しておきたい。
本書で描かれた兵士同士の人肉食いを通して、
極限状態に置かれた人間が、どこまで人間としての尊厳を保つ事が出来るのか?
そもそも人間性とは何かについて考えさせられる。
そして「人間はどんな異常の状況でも受け容れることが出来るものである」
という本文中の言葉から、人間性を超えた生命力の凄まじさを感じた。
文学作品としても再度棒線を引きながら熟読してみたい程、
文学的完成度の高い傑作だと思う。