賢者の戦略 (新潮新書) の感想

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参照データ

タイトル賢者の戦略 (新潮新書)
発売日販売日未定
製作者手嶋 龍一
販売元新潮社
JANコード9784106106002
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

大変満足してます。
また注文したいです。
お友達にも紹介します。

 2014年12月、手嶋龍一氏・佐藤優氏の対談本です。

 この2人の対談は、文春さんで3冊目、通算で4冊目。
 また、佐藤氏は、ほぼ同時期に池上氏との対談「新・戦争論」を出しており、
過去作・「新・戦争論」を読んでいる人にとっては、重なる内容が多く見られ、やや薄くなった感じを受けると思います。
 私は、これまでの対談を読んでいるので「☆4」とさせていただきましたが、初めての人には「☆5」といえる内容です。

 他レビューと重複しないように、個人的に面白かったところを書くと、まず「米ロの間に立つメルケル」(P55〜59)。
 ドイツ、ロシア、ウクライナ、アメリカの絡み、宮家邦彦氏のコラム(産経新聞からの引用)という流れは、非常に興味深い。
 最近、エマニュエル・トッド「「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)」が人気のようですが、
両方持っている方は読み比べてみるのもいいのではないでしょうか?
 なお、ドイツの外部領域云々という話を聞くと、私はドイツポストを連想してしまいます。
 佐藤氏の言う「21世紀型の『新・帝国主義』」というのは、多国籍企業の国家バージョンというイメージが浮かびます。

 また、ライス失言から中国の防空識別圏設定の流れを、アチソンラインから朝鮮戦争への流れになぞってみたり、
尖閣について、米議会の議決・米議員を褒めつつも、同盟を守ったからWWIが起きたというキッシンジャーを取り上げたり、
具体的なトピックを挙げながら、似たフレーム・相反するフレームを挙げていくところは、「さすが!」です。

 一方、シリアに対する米国の態度についての批判は、なんともかんとも。

 手嶋龍一さん、佐藤優さんのインテリジェンス対論、『動乱のインテリジェンス』、『知の武装―救国のインテリジェンス』
 に続く3作目の登場です。
 今回取り上げられているのは、先ず、21世紀の火薬庫「ウクライナ」です。2014年3月プーチン大統領率いるロシアが、
 クリミア半島を占拠、併合しました。そして、現在は東部ウクライナの併合をはかっています。
 その裏には、武器製造、輸出大国としてのウクライナの実態、ロシアのGRUの存在、、ウクライナ親欧米政権の裏の顔、
 しかし、最終的に最も大きい要因は、オバマの弱腰外交にあると喝破しています。そして、起こったマレーシア機撃墜の闇・・・・・・
 そして、対論はイスラム国へ!ここでも最大の汚点は、レッドラインを超えたシリアに対して何もしなかったオバマ政権にあります。
 アメリカは、イスラム国を封じ込め、イラクの現政権を守るため、イランとの関係改善を試みていますが、
 その代償は、イランの核武装の黙認、そうなれば、サウジ、アラブ首長国連邦、カタールも核武装するでしょうし、
 なんといっても、イスラエルが黙ってはいないでしょう!事態は予断を許しません!!
 さらに、安倍所掌の靖国参拝が創り出した「対日包囲網」、1991年3/11日本外交のみじめな敗北、
 安倍政権の「集団的自衛権」とそれにくさびを打ち込んだ公明党・・・・・・・・
 そして、そんな日本の命運を握っているインテリジェンス、
 佐藤さんは、インテリジェンスとは、国家が生き残るために欠かせない情報と考えています。
 そして、そんなインテリジェンスの源は「愛国心」であると結論しています。
 いつもながら、手嶋さん佐藤さんの現状の鋭い分析、そして、それに対する回答が、知的好奇心を満たしてくれます!!

売れすぎたのかアマゾンでは在庫切れ。やむなく書店で買いました。
対談形式なのですぐ読めました。二人ともグローバルな世界を生きてきた人なので、視野がとても広い。そして洞察力の鋭さに感心しました。
同時に発売された『がんばると迷惑な人』と『将軍と側近』も一緒に買いましたが、3冊とも読み応えがありました。

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