連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック の感想

大友良英さんは、映画やテレビドラマなどで比較的スタンダードな楽曲を作られていたという感じだった記憶があります。まず、ベースにジャズっぽい即興的な楽曲があり、オマージュとしての昭和のいろいろな頃の楽曲も取り入れるといった感じだったと思います。
ところが、この｢あまちゃん｣のサントラでは、よほど脚本や演出など自らの琴線に触れたんでしょうねぇ…サントラとしてまとめた秋から春先までに4回の収録と200以上のテイク（作曲数でも百数十曲）も作っています。ご本人も述べているように連続テレビ小説だからといってもこれほどの数は本来必要無いのですが、作りたくなる何かがあったんでしょう。その中から、比較的作品中に使われている厳選35曲ですから、興味深い楽曲になっているわけです。（たぶん、この調子だと作品が終わるまでに相当数の楽曲が作られるので…この１枚でサントラが終わりってことはない気がします）
楽曲については大友さん自身がブックレットとは別刷りで全曲解説を書いていますので、それを読みながら聞くとより一層楽しめるのであえてここでは書きません。とにかく、ライブ感覚でジャズをメインにいろんな楽曲のジャンルという引き出しを出して、ちょっとした曲ならできあいの効果音楽でなくきちんと音楽を作るという感じで、とにかく一生懸命作った音楽といっていいでしょう。そのため、作ったときの狙いと実際に使える場面が違うのも出てきたりして、これまた楽しめるものになっているんじゃないかと思います。0