生命の惑星: ビッグバンから人類までの地球の進化 の感想

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参照データ

タイトル生命の惑星: ビッグバンから人類までの地球の進化
発売日販売日未定
製作者チャールズ・H. ラングミューアー
販売元京都大学学術出版会
JANコード9784876985418
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 地球科学・エコロジー » 地球科学

購入者の感想

同じテーマの本は多いが,薄い入門書を10冊読むなら,本書1冊を精読した方がずっと勉強になる。
まず,宇宙史・地球史・生命史を理解するのに必要な学問を,根本の原理からていねいに説き起こしてくれるのがありがたい。物質の構成,放射性崩壊,有機化学と無機化学,そしてもちろん地球物理・地質学・気候学から分子生物学・進化学まで。必要な学問の前提知識なしで読める。たとえば,高校物理の原子分野だとか,化学で習う酸化還元反応だとかの内容は,こう使うのだということがよく分かる。厳密さを維持して基礎から研究の到達点を示す水準は非専門書としては最高レベルではないか。
一方で,根底に流れているブロッカー教授の哲学を感じ取れるのも魅力だ。取り上げられるすべての事実と論考が,宇宙が誕生してから,現在私たちがここに存在するまでの流れを浮かび上がらせるように構成されている。一大絵巻を見るようでとても感動する。複数の専門家が分担執筆した編著書にはない力強さがある。
それだけに,最後から二番目の章で扱われる環境問題に対して慄然とする思いを強くするし,最終章で語られる宇宙生物学に未来への明るさを感じる。扇情的な表現は使われていないが,基礎科学の成果の積み重ねにより科学の語ることばを強める好例を見る思いだ。
ひとつだけ物足りなさを感じるのは訳題。少し平凡でインパクトが弱い感じがする。第一版の訳題「なぜ地球は人が住める星になったか?」の方が原題に近くていいかな。あるいは「生命の宿る惑星は,いかにしてつくりあげられたか」みたいな副題がほしかった。

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