マンガ 老荘の思想 (講談社プラスアルファ文庫) の感想
参照データ
タイトル | マンガ 老荘の思想 (講談社プラスアルファ文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 蔡 志忠 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062560580 |
カテゴリ | 人文・思想 » 哲学・思想 » 東洋思想 » 東洋哲学入門 |
購入者の感想
元来、老荘思想は孔子・孟子の提唱した儒学とは全く性質を異にしている。
仁・義・礼・智・信など、人倫の概念を説こうとする儒学に対し、老荘思想殊に『老子』は
言葉そのものに対して疑問を投げかけている。よって言葉によって組みあがった仁義などの
思想は、人間が作り出した空虚な概念で、砂上の楼閣と考えるわけである。
言葉そのものを重んじる儒学の聖典の一つ『論語』には、多くの登場人物とともに、如何に
して孔子が教えを説き、如何に弟子たちがその教えを守り、喜怒哀楽の人生をどのように生き
たかが生き生きと描かれている。
一方、『老子』には老子本人どころか、登場人物は一人も出てこない。もっと言うならば、
固有名詞が一つとして出てこないのである。『老子』の難しさはここにある。言語自体に
猜疑を投げかけながらも言語を通してその思想を表現する難解さ。だからこそ『老子』を本当の
意味で理解するのはきわめて難しいのだ。
『老子』と同じ路線といっても過言ではない禅は、もはや言葉を打ち捨てた。「以心伝心」である。
一方、『荘子』には寓話が多い。これは素人にも楽しめる。入口を入りやすくし、一般人受けしや
すいのは『荘子』であるが、老荘の相異についてはもちろん漫画では語られていない。
難解な老荘思想の入口として、この漫画が手がかりになるかもしれない。
ただし文字が極めて小さいので、その点は確認されたほうがよいでしょう。0
仁・義・礼・智・信など、人倫の概念を説こうとする儒学に対し、老荘思想殊に『老子』は
言葉そのものに対して疑問を投げかけている。よって言葉によって組みあがった仁義などの
思想は、人間が作り出した空虚な概念で、砂上の楼閣と考えるわけである。
言葉そのものを重んじる儒学の聖典の一つ『論語』には、多くの登場人物とともに、如何に
して孔子が教えを説き、如何に弟子たちがその教えを守り、喜怒哀楽の人生をどのように生き
たかが生き生きと描かれている。
一方、『老子』には老子本人どころか、登場人物は一人も出てこない。もっと言うならば、
固有名詞が一つとして出てこないのである。『老子』の難しさはここにある。言語自体に
猜疑を投げかけながらも言語を通してその思想を表現する難解さ。だからこそ『老子』を本当の
意味で理解するのはきわめて難しいのだ。
『老子』と同じ路線といっても過言ではない禅は、もはや言葉を打ち捨てた。「以心伝心」である。
一方、『荘子』には寓話が多い。これは素人にも楽しめる。入口を入りやすくし、一般人受けしや
すいのは『荘子』であるが、老荘の相異についてはもちろん漫画では語られていない。
難解な老荘思想の入口として、この漫画が手がかりになるかもしれない。
ただし文字が極めて小さいので、その点は確認されたほうがよいでしょう。0