Newton(ニュートン) 2015年 04 月号 [雑誌] の感想

今月号のNewton Specialは、「スマホ大解剖」。iPhone6の内部を分解して、その構造やパーツの役割、機能についてNewton得意の図解や写真を駆使して解説しています。2020年には毎秒10メガビットのデータ転送が可能になる第5世代が計画されているということです。スマホの電波が届く仕組みや、「上り」と「下り」で通信速度が違う理由といった説明もあります。

写真特集は、相変わらず目を奪われる質の高いものが多いです。まずは、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の「マーズ・エクスプレス」が撮影した火星の写真。大変鮮明です。ハワイ諸島の写真解説は見事ですし、2007年に世界遺産に登録された太古の人類が描いた絵が残るナミビアの「トワイフェルフォンテン」の写真は日本ではあまり知られていないところのようなので珍しいです。いろいろな生物の眼を写した写真特集では、鳥や両生類やサメやエイに備わっている第3のまぶたである「舜膜」が印象的です。」

哺乳類の冬眠の話は、地味ですが、結構おススメです。冬眠中のクマの体内で行われているたんぱく質のリサイクルの仕組みとか、リスの冬眠特異的タンパク質の話とか、冬眠する動物は冬眠している時間を差し引いても体のサイズに比べて長寿であるというようなことが書かれています。

次の日本人ノーベル賞受賞者候補として最右翼に名前が挙げられているリチウムイオン電池研究に貢献のあった2人の科学者（水島公一氏と吉野彰氏）のインタビューが添えられている電池の特集では、アルカリ乾電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池の仕組みを紹介。まったく新しい電池として炭素を中心とした有機物で電子を溜め込む有機二次電池の研究にも触れています。

ニューラルネットワーク技術を発展させた「ディープ・ラーニング」のしくみを中心にした人工知能の研究の紹介や、ティラノサウルスの骨格復元CGと生体復元CGを掲載している特集もあります。