永遠に女性的なる現代美術 (知の蔵書21) の感想
参照データ
タイトル | 永遠に女性的なる現代美術 (知の蔵書21) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 清水 穣 |
販売元 | 淡交社 |
JANコード | 9784473018861 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
近現代美術とその周りを取り巻く状況についてのエッセイ集。取り上げられているのは、モネ、リクテンスタイン、ウォーホル、メイプルソープ、ニコラ・ド・スタール、マーク・ロスコ、クレー、奈良美智、竹岡雄二、ジャッド、高野基夫、ゲルハルト・リヒター、荒木経惟、ヴォルフガング・ティルマンス、村上隆など。
著者は、現代美術愛好者特有のスノビズムへの不満や、有名作家に対するパターン化した解釈への疑問を持っているようだ。辛口の批評が刺激的である。
特に面白かったのは、以下のようなこと
・モネの作品は一見平凡で当たり障りのない絵画のようだが、自然を純粋な映像として捉えたという点で、現代美術の問題意識を先取りした作品である。
・アラーキーの作品は一見豪快っぽいが、実は人工的で閉じた世界のものである(その閉鎖性がヨーロッパでウケる理由である)。
・村上隆は日本への偏見を逆手に取ってモダンアートに根付く西洋中心主義に対して批評的な観点を示そうとしたが、結局「日本」の枠を自ら作ってしまうことで欧米/欧米に従属する非欧米という二元論を強化することしかできなかった。
なお、強い口調で断言しているわりに説明不十分で主張の根拠が分からないところもところどころ見受けられた。ある程度現代美術の知識がないとついていけないと思う。
著者は、現代美術愛好者特有のスノビズムへの不満や、有名作家に対するパターン化した解釈への疑問を持っているようだ。辛口の批評が刺激的である。
特に面白かったのは、以下のようなこと
・モネの作品は一見平凡で当たり障りのない絵画のようだが、自然を純粋な映像として捉えたという点で、現代美術の問題意識を先取りした作品である。
・アラーキーの作品は一見豪快っぽいが、実は人工的で閉じた世界のものである(その閉鎖性がヨーロッパでウケる理由である)。
・村上隆は日本への偏見を逆手に取ってモダンアートに根付く西洋中心主義に対して批評的な観点を示そうとしたが、結局「日本」の枠を自ら作ってしまうことで欧米/欧米に従属する非欧米という二元論を強化することしかできなかった。
なお、強い口調で断言しているわりに説明不十分で主張の根拠が分からないところもところどころ見受けられた。ある程度現代美術の知識がないとついていけないと思う。