カラー版 日本美術史年表 の感想
参照データ
タイトル | カラー版 日本美術史年表 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 辻 惟雄 |
販売元 | 美術出版社 |
JANコード | 9784568400625 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » アート・建築・デザイン » 参考図書・白書 |
購入者の感想
評者は高校からパリに滞在し、そこで美術館で日本の美術品を見ていたが、20代後半日本で初めて本物を見た次第である。問題は、作品を見ても由来や時代的な背景が分からないことであった。何とかガイドブックでごまかしてきたが、この度思い切って芸術系大学の通信教育を受け始めた。単独では無味乾燥となりやすい年表であるが、ここではジャンル毎に色分けされた項目、厳選された図版や写真、40P以上の索引と、初心者でも退屈せず使いやすく工夫されている。右ページの写真を眺め、それから左ページの年表で位置を確認するのも楽しい。ただ、どの本にも言えるかと思うが、内容にある程度の好奇心とある程度の知識が無いと退屈で役に立たないと思われる。評者は仕事上、ドイツ、イタリア、中国、韓国、トルコ、ギリシャなどに滞在し多くの美術館を訪問し、日本の美術の歴史の長さ、数の豊富さ、質の高さは非常に高いとレベルと思っていたが、この年表を見てまずその豊富さに驚かされた。確かにフランスの高校や大学の初心者レベルの美術史では、アジアの美術としてインド、中国、日本しか取り上げないのも頷けるところである。日本美術の全体像をつかむには、この年表は非常に使いやすいこと強調したい。さらに深い理解のために、同じ監修者の「日本美術史」も併用しているが、こちらは時代の流れに沿った美術品の写真や説明が中心で、年表とは相互補完的である。特に両者は時代区分など両者同じ方針でまとめられているので、日本美術の流れを理解するには最高の組合せである。