クルスクの戦い1943: 独ソ「史上最大の戦車戦」の実相 の感想
参照データ
タイトル | クルスクの戦い1943: 独ソ「史上最大の戦車戦」の実相 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | デニス ショウォルター |
販売元 | 白水社 |
JANコード | 9784560084229 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 世界史 » ヨーロッパ史 » ヨーロッパ史一般 |
購入者の感想
「クルスクの戦い」の本はたくさんあるが、この本は最近公表された旧ソ連の資料に基づきクルスクの戦いの発端から戦闘経過そして終焉までをドイツおよびソ連軍の両方から描いた作品です。皆様もご存じのように東部ドイツ軍の中央、南部軍団の総力を挙げての作戦であったが、ほとんど進撃できなかった北部戦線に対し、名将マンシュタイン元帥およびホト上級大将の南部方面は巧みな戦術で目標のクルスク市の手前まで進撃するがシシリー島に連合軍が上陸したことによりヒトラーが強力な師団を西部戦線に移動命令を出したことにより事実上の終わりを告げ、その後の東部戦線のドイツ軍は焦土作戦をとりつつ撤退に転じ、その後のソ連軍のバグラチオン作戦により東部戦線のドイツ軍は事実状崩壊することになる。この本ではドイツ軍の損害およびソ連の損害が記載せれているが、情報が事前に漏れてドイツ軍の攻撃を万全の態勢で迎えたソ連軍に約6倍もの損害を与えていたことは驚くばかりである。戦術的にはドイツ軍の勝利であったこの作戦、マンシュタイン元帥の自伝の題名にもなった失われた勝利について読んでおいて損はない本です。