進化と人間行動 の感想
参照データ
タイトル | 進化と人間行動 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 長谷川 寿一 |
販売元 | 東京大学出版会 |
JANコード | 9784130120326 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » サル・人類学 |
購入者の感想
心理進化学の入門書として定番だというので読みました。
東京大学出版会の発行で東京大学教養学部のテキストとのことです。ダーウィン、ドーキンスなどの既知の見解を無難にソツなくまとめています。
生物学、動物学、分子生物学、文化人類学、脳科学の成果を要領よくまとめた教科書です。
目新しいモノはありません。
脳科学の進展から何らかの成果に基づいた新たな考察を期待してましたが、期待はずれでした。
東京大学出版会の発行で東京大学教養学部のテキストとのことです。ダーウィン、ドーキンスなどの既知の見解を無難にソツなくまとめています。
生物学、動物学、分子生物学、文化人類学、脳科学の成果を要領よくまとめた教科書です。
目新しいモノはありません。
脳科学の進展から何らかの成果に基づいた新たな考察を期待してましたが、期待はずれでした。
長谷川夫妻による進化生物学あるいは進化心理学についての、非常にわかりやすい教科書。
教科書として完璧。だけど、僕はこの本を人に薦めるかわりに、長谷川眞理子先生の『進化とはなんだろうか』『オスとメス=性の不思議』の新書2冊を買うことを薦めるでしょう。何故なら、内容はほとんど同じだと感じたし、新書を2冊買った方が安いから。
こう書くと次のような反論があると思います。本書の「売り」は、タイトルにあるように、進化生物学の視点で人間行動を見てみようというところにある。新書2冊では、そのような試みを正面からは取り上げていないだろうと。それはそうなのですが、僕自身最も楽しみにしていたヒトについて語った部分に満足できなかったので、進化生物学の教科書としてなら上述の2冊の新書を買う方を薦める、というわけです。
ここでは「社会」については何も語られていません(ヒトに限らず、同種同性の2個体による相互作用についてほとんど語られていないように感じた)。いや社会についても当然触れられているのだけど、それまでの自然科学的な話し方から急に社会科学的な話し方にかわってしまうように感じる。期待しているのは、自然科学的な話し方で、ヒトやその社会について語ってもらうことなのに(まぁ、それは社会についてのまともな科学がないという、どちらかと言えば社会科学側の責任なのかもしれませんが)。
ただ、この辺のことは僕のないものねだりなのかもしれません。全然褒めてないように見えるかもしれませんが、「教科書として完璧」というのは本心です。
教科書として完璧。だけど、僕はこの本を人に薦めるかわりに、長谷川眞理子先生の『進化とはなんだろうか』『オスとメス=性の不思議』の新書2冊を買うことを薦めるでしょう。何故なら、内容はほとんど同じだと感じたし、新書を2冊買った方が安いから。
こう書くと次のような反論があると思います。本書の「売り」は、タイトルにあるように、進化生物学の視点で人間行動を見てみようというところにある。新書2冊では、そのような試みを正面からは取り上げていないだろうと。それはそうなのですが、僕自身最も楽しみにしていたヒトについて語った部分に満足できなかったので、進化生物学の教科書としてなら上述の2冊の新書を買う方を薦める、というわけです。
ここでは「社会」については何も語られていません(ヒトに限らず、同種同性の2個体による相互作用についてほとんど語られていないように感じた)。いや社会についても当然触れられているのだけど、それまでの自然科学的な話し方から急に社会科学的な話し方にかわってしまうように感じる。期待しているのは、自然科学的な話し方で、ヒトやその社会について語ってもらうことなのに(まぁ、それは社会についてのまともな科学がないという、どちらかと言えば社会科学側の責任なのかもしれませんが)。
ただ、この辺のことは僕のないものねだりなのかもしれません。全然褒めてないように見えるかもしれませんが、「教科書として完璧」というのは本心です。
人間の生態学について、今現在の最先端の学説をみることができます。そういった意味で、トリバースやドーキンスの本あるいはエドワード・ウィルソンの分厚い本を読まずとも大体の概要はこの本で知る事ができます。さらにいうなら、心理学から、動物行動生態学を包括した進化理論の説明でもあります。 わたしはまだ学生ですが、論文の書き方やスタイルの勉強にもなりますし、なにより学問に対する態度をこの本からまなべることとおもいます。 著者の意図でもある、文系と理系の橋渡し的役割というのは、科学的考えと、人間の心的作用の融合に他ならないでしょう。 これから学問を志す者にとっては、必携の書であるといえます。 0