世界で一番美しいレントゲン図鑑 の感想

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ちょっと安直には買えないシロモノですが、一見の価値ありです。

レントゲンという『枯れた』技法でも、これだけのアートとは。どこから開いても良いし面白い。

圧巻は、ボーイング777をハンガーごと透過した作品。パースが付かないから、意外なほど太い胴体
とか、整備車両まで写しこんでスケール感を演出するとか。あとはビル5階分をそっくり透視して、
良く見るとカウチで寛いでる骸骨の一方、コピー機が壊れて悪戦苦闘してる骸骨が居たり。

これらは部分を繋いで合成してますが、バス1台分を１基の特殊な装置（密輸防止用）で一気に撮った
奴なんかも圧巻です（ちなみに装置は５００万ドル以上するとか・・・）。

生物系は、透明標本等でアートになってますが（後述）、むしろエンジニアとしては、カメラや
ＰＣ、時計といったメカニカルなものの透過写真が斬新で美しい。デザイナーの遊びとか、設計が
妙に妥協してる部分なんかが想像できて、間違い探し的に見入ると時間がフッ飛んでいきます。

拷問具にしか見えないハイヒールとか、路面圧や衝撃に合わせてソールの自動調整を行うスニーカー
なんかも圧巻です。新しいアートの開拓、という気がします。１冊手元に置いて、好きな時に開いて
眺める、というのが一番良さそう。その意味では安価とも言えます。特に理系の方にはお勧めです。

透明標本はこちら。
[新世界]透明標本~New World Transparent Specimen~
モノクロですが、圧巻なのがコレ。是非、フルの大判で。